日常の仕訳と決算整理仕訳の違いとは?
会計処理のゴールが見えているか?
会計処理にはひたすら集計、ひたすら入力でゴール
といった印象があります。
残念ながら誤解です。
数字を固める「決算」が不可欠です。
「仕訳」でも日常と決算での違いがあります。
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2025年初の氷柱
仕訳の違い 会計のゴールが見えるか?
仕事をしていて疲労感や徒労感が強まるのは終わりがわからない、
ゴールが見えないときです。
あるいはゴールと思っていた状況に続きがあることを知らされると、
ガクッと気落ちします。
事業経営では年1回、必ず決算と税務申告が必要です。
とっつきにくい上にゴールが見えないと疲弊します。
会計処理は1年間の事業を期首から期末にわたって反映させるので、
ゴールの確認ができるかどうかは当事者には切実な問題です。
複式簿記では「仕訳(しわけ)」で取引を記録していきますが、
日常と決算での違いを知っておく必要があります。
仕訳の違い 日常と決算の違いとは?
日常の仕訳は取引の記録といえます。
たとえば、消耗品の購入。
- (借方)消耗品費 (貸方)お金
あるいは売上の請求と回収。
- (借方)売掛金 (貸方)売上
- (借方)お金 (貸方)売掛金
取引の事実を取引の発生時に記録していきます。
後でまとめて記録・計上ではありません(笑)。
これに対して、決算整理仕訳は決算時点での損益や財務状況を
確定させるための処理となります。
たとえば、売上原価と期末在庫の確定。
- (借方)仕入 (貸方)繰越商品
- (借方)繰越商品 (貸方)仕入
固定資産を費用化する減価償却の計上も決算整理仕訳です。
他にも経過勘定の計上などもあります。
忘れがちな対象は債権・債務の締め日以降の処理です。
たとえば、売上の請求が毎月25日締めであった場合でも、
決算日までに追加の売上があれば計上しておく必要があります。
- (借方)売掛金 (貸方)売上
仕訳の形式だけをみると日常の仕訳と区別できませんが、
計上する内容に違いがあります。
発生主義での会計処理が事業経営で必要とされるので、
仕入でも同じような処理に留意することになります。
仕訳の違い 日常も決算も大切!
会計ソフトを利用していると、入力が即決算書につながります。
集計や転記の手間がない面で効率的です。
反面、日常と決算の処理の違いがわかりにくいかもしれません。
会計処理で入力は必要な過程ですが、入力が処理のゴールではありません。
日常・決算整理での仕訳を入力して、貸借対照表と損益計算書を確認、
処理の追加や訂正を経てゴールとなります。
確定した決算の結果は所得税・法人税・消費税の結果を左右します。
日常・決算とどちらの仕訳も不可欠です。
仕訳の形式を覚えることも無視できませんが、内容の理解が優先です。
ゴールが見えていれば残念な徒労感はなくなります。
蛇足
アイキャッチ画像は2025年(令和7年)初の氷柱(つらら)です。
1月は雪がまったくない、石川県では珍しい状況でしたが、
2月は例年通りの展開です。
除雪も例年通り始めています。
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