決算は処理さえできればOKか?
次期以降がみえていますか?
OKでしょ!?、と言いたくなりますね(笑)。
決算の後には税務申告も控えています。
とはいえ、グッとこらえるときがあります。
決算の始末 入力完了の罠
目前にある仕事の山が片付くとホッとします。
たとえば、会計ソフトへの入力。
集計や転記を自動的に処理できる税務会計必須のツールですが、
データの入力がなければどうにもなりません。
銀行口座のデータにしろ、クレジットカードの利用データも
適切な入力をしてこそ活かされます。
他方、入力が終わったからといって業務完了とはいきません。
入力後には残高などの入力の確認が必須です。
労力をかけようが、効率化しようが未確認では未完です。
以下は代表的なミスです。
- 未処理・未入力
- 誤処理・誤入力
- 例 1,980を19,800で入力
- 重複での入力
消費税の課税区分の入力ミスも確認の対象です。
期中のデータの入力は決算の処理で完了となります。
ただし、決算でも処理だけで済むとは言えません。
決算の始末 税務申告の前に一呼吸
「決算」は1年間の事業経営での重要な処理になります。
経営成績である損益計算書と決算時点の財政状態の貸借対照表
といった決算書が成果となります。
(「大人の超入門確定申告Vol.2 決算」)
所得税の事業所得も法人税も、決算の成果を受けて申告書を作成します。
「確定申告書等作成コーナー」も決算書の作成後に所得税の処理
と連動する仕組みです。
消費税も期中と決算の会計処理を経て申告書の作成です。
決算→税務申告、といった流れに間違いありません。
他方、決算整理仕訳の入力といった処理だけで決算完了
とは言い切れない面があります。
会計ソフトも税務申告ソフトもデータを入力さえすれば、
集計・転記・出力はされます。
決算書や申告書を作成する直近の形式面での成果は達成できます。
一方、内容面での成果が確保できるとは言えません。
損益計算書ができれば月別や年間の売上や利益は算出されますが、
現実を反映しているか確認は必要です。
前年を含めた過年度との比較、当初の想定との違いなど
経営の動向や推移を確認する必要があります。
決算の始末 次期がみえていますか?
経営は継続が前提です。
決算は1年間を単位に会計や税務申告で締め切りますが、
経営が続いていくことに変わりありません。
貸借対照表の勘定科目の期末残高は翌期首の残高です。
前年以前の経営から決算当年の経営の動向や推移だけではなく、
資金繰りも翌年以降に直結しています。
個人事業でも法人の経営でも、決算の処理だけではなく、
翌年以降の経営を想定することがおすすめです。
決算日の翌日には翌年の期首が始まっています。
蛇足
アイキャッチ画像はユズリハです。
北陸石川県の冬のわずかな青空に葉や実が映えています。
有毒なので食べられないのが残念な実の付き方です(笑)。
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