住みよさランキング 石川県が目立つが
落とし穴もあります、というオチです。
住みよさランキング 2年連続石川県がトップ
ランキングは何かと注目してしまいます。
競争意識を刺激されるからでしょうね。
毎年発表されているランキングに「住みよさランキング(東洋経済「都市データパック」)」があります。
全国の自治体を下記の指標をもとに順位付けしています。
安心・利便・快適・富裕度を各種のデータからランキングに反映しているわけです。
統計や指標の取扱い・見方(解釈)は突っ込みどころのあるテーマです。
(統計学の入門書では定番のテーマともいえます)
「住みよさランキング」では、生活するという観点から極端な偏りがでないデータが用いられているようです。
2020年は野々市市(ノノイチシ、金沢市南隣、人口約5万人)が1位でした。
2019年は白山市(ハクサンシ、金沢市より南、人口約11万人)が1位でした。
ベスト10の内、5都市が石川県でした。
住みよさランキング リテラシーとしての違和感
客観的とされるデータから住みよいと評価されれば、悪い気はしないものです。
(私の現住所も、実家も、事務所もランクイン都市ですし)
とはいえ、違和感もあります。
たとえば、白山市。
住みよさランキングでは上位にあります。
ランキングに用いられている指標と照らしてみると、それほど違和感は感じません。
その一方で、近い順位に東京の都市(文京区)があると、ランキングだけではみえない違和感を感じます。
白山市の面積は、約750㎢です。
白山(標高2700m)から日本海までを占めています。
これに対して、文京区は約11㎢。
(東京23区で620㎢)
指標というでデータだけをみれば、同じような住みよさではあります。
とはいえ、白山市の山間部と平野部は別の地域という印象です。
また、ランキングでは対象外だった指標も気がかりです。
たとえば、交通。
トップ10にランクインしていた石川県の金沢市(のさらに中心部)はともかく、その他の都市は車社会です。
石川県では鉄道はマイナーな交通手段ですし、バスも重要度は車(マイカー)ほど高くありません。
「住みよさランキング」や高評価の都市をディスるわけではありません。
統計やランキングを鵜呑みにしないリテラシーの問題です。
住みよさランキング 単年と変化
住みよさランキングは、毎年一定の視点から公表されている点で定点観測といえます。
(扱われている指標には入れ替わりがあるようですが)
ランキングは、公表の年のランキングに関心が集まります。
その一方で、ランキングの対象都市は継続して存在しています。
どう評価されたかとともに、評価がどう変化しているかも無視できないところです。
都市の問題では、中心部でのドーナツ化現象や空き家問題があります。
トップ10にランクインしていた石川県の都市も例外ではありません。
変化をつかむのも、リテラシーです。
蛇足
こちらも参考に → 北陸での住まい探し
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