デファクトスタンダードを共有しているか?
仕事の効率化欠かせない前提を共有!
すっかり見られなくなったことばだからといっても、
無視できるようになったわけではありません。
ことばを見かけなくなったから認識が鈍ることもあります。
標準の共有 見かけなくなった?
ビジネス業界は「大人の事情」もあり流行語が好きです。
コロナ禍には「リモートワーク」や「ワーケーション」が
「働き方改革」とセットで注目されました。
コロナ感染が「5類」に移行して、コロナ禍以前の対面が増え、
上記のことばはやや影が薄くなりつつあります。
とはいえ、リモートワークやワーケーションが消滅した
ということはありません。
実践している・利用できている方とそうではない方の差異が
固定化しているといえます。
ビジネス業界での流行っていた「ことば」を見かけなくなったことと、
ことばが示していた影響は一致しないことがあります。
「デファクトスタンダード(De facto standard、事実上の標準、以下DFS)」もその一例です。
標準の共有 暗黙の前提!?
強制や統制されたわけではないけど、選択・利用しないと不利になる
といったDFSの特徴があります。
- パソコンのQWERTYキーボード配列
- パソコンOSのWindows
- スマホアプリのLINE
- TCP/IPプロトコル etc
税務会計の業務では、
- 会計ソフト
- 税務申告ソフト
- オフィスソフト
といったソフトの利用は暗黙の前提です。
税理士だけが一方的にそうした判断をしているわけではなく、
課税当局とも歩調が合っています。
たとえば、所得税の医療費控除の集計ワークシート。
Excelでの集計フォームが国税庁より提供されています。
(「医療費控除 フォーム」で検索)
DFSは仕事を効率よく進める土台にもなるので無視できません。
標準の共有 効率化と暗黙の前提
DFSをハードやソフトの選択・利用だけに絞ってしまうと、
見逃してしまうことがあります。
DFSが含んでいる「暗黙の前提」です。
DFSはあえて「標準」と名乗る必要のない「暗黙の前提」という面があります。
選択・採用・利用が当たり前とザックリ表現できます。
たとえば、上記の医療費控除の集計フォームは一見すると、
脱・手計算のツールですが、
- ペーパーレス化
- 申告のオンライン化
といった業務の進め方と関連しています。
医療費集計フォームを利用しながら紙書類で申告することは、
「事実上の標準」的な業務処理とはいえません。
「デファクトスタンダード」のハードやソフトはお金で揃えられます。
一方で、どのように運用していくかといった前提が共有できていないと、
効率的な運用にはつながりません。
ツールの共有も大切ですが、目指している目標の共有が一致していないと、
効率化も成果も中途半端になります。
効率化や成果の向上は単独では限界があるので注意が必要です。
蛇足
アイキャッチ画像は畦に伸びていたセイタカアワダチソウです。
2023年は猛暑のため私の住んでいる石川県でも
9月半ばで稲刈りが終盤となっています。
田んぼは稲刈りが終わり閑散としてきましたが、
畦のセイタカアワダチソウはまだ伸びていそうです。
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