専門職だからこそ専門書だけを読まない!?
税理士が一般書籍を多読する理由とは?
せっかく税理士といった専門家になったはずなのに
一般書籍を読む機会はかえって増えました。
読むべき専門書がインフレなので必然的に
乱読・多読・積読(笑)となっていきます。
読む読む 何をそんなに読むのか?
税理士の仕事では、
- パソコンの前でカタカタと処理
- お客様への対応(相談・説明)
- 税務調査での対応
といった定番の光景が連想できます。
記帳や決算書・申告書といった成果品のアウトプットや
対人対応がイメージしやすいはずです。
私は上記に加えて、インプットも仕事と考えています。
セミナーや研修といったリアル・メディアでのインプットもありますが、
資料や文献を「読む」ことが依然としてインプットの中心です。
- 条文・通達・判例
- 各種の専門書
- 専門雑誌等
簡潔に主要なインプット対象を示しましたが、
読みきれるものではありません(笑)。
にもかかわらず、非専門家向けの一般書籍も読んでいます。
読む読む 一般書籍が見逃せない
書店の「ビジネス」コーナーでは税金ネタの本が必ずあります。
- 所得税:個人事業主・副業・各種控除による節税
- 法人税:経営での資金繰りや事業承継
- 消費税:インボイス対応
- 相続・贈与税:言わずもがな(笑)
専門的な税務申告とはいっても、申告・納税の税目は注目されます。
興味や関心のある方にとって情報収集の対象として
とっつきやすい書籍の参照は納得がいきます。
また、税理士業に従事している私にとっても一般書には魅力があります。
たとえば、お客様への説明。
専門職従事者にありがちな、「知っていて当たり前」や「常識」を
一旦「白紙」に戻すことができます。
応対や説明が適切であっても空回りしないように、
非専門家の目線を確認することは常に必要です。
お客様や相談者の誤解を知るためにも複数の視点が必要です。
読む読む 見えない文脈を読む!
税金での相談で「〇〇に□▲と書いてあった」ということがあります。
こうしたときには、
- 正確に読み取り、理解しているか?
- 参照した文献の精度は確かか?
といった点に留意する必要があります。
たとえば、消費税のインボイス制度。
「増税」という文言が使われている文脈を誤解すると、
制度の誤解だけでなく、判断も誤る可能性もあります。
(珍問答から学ぶインボイス対応!?)
税務相談では正しい知識や理解の提示が必要ですが、
誤解の元を解消することも必要です。
演繹的に専門書だけを読むことも対策となりますが、
非専門家向けの一般書籍を参考にすることも有効です。
多読していくことで、見えていない文脈にもアプローチできます。
蛇足
評論家・ジャーナリストの大宅壮一が
- 「本は読むものではなく引くもの」
という名言を残しています。
そんなもんかな?と思っていたときもありましたが、
仕事を進めていくと、そりゃそうだろ!となりました(笑)。
後付で意味を了解することも乱読の成果ですね。
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