家族は税金との相性が良くないのか?
表現と制度が不一致?

日常使っていることばと法律の運用が一致しない
ということがあります。

人間関係とお金の問題をこじらせないために、
あらかじめ交通整理がおすすめです。

家族と税金 見かけないことば

税務会計は敬遠される要素が詰まっています。

複式簿記にしても、税法にしても日常生活では見かけない
専門用語が並びます。

  • 借方かりかた貸方かしかた
  • 損益計算書・貸借対照表たいしゃくたいしょうひょう
  • 所得
  • 控除こうじょ etc.

当事者としてお金を管理して扱うにもかかわらず、
ハブられている印象さえあります。

また、「家族」が関連する制度であっても、

  • ストレートに「家族」という表現を見かけない

といったとっつきにくさもあります。

家族と税金 生計を一・相続時精算課税

税金、一般に馴染み深い所得税では「家族」よりも、

  • 「生計をいつにする」

といった表現が目立ちます。

税負担を減らす所得控除と関連するということもあり、
見慣れない表現ですが無視できません。

法律の運用上の「通達」が参考となります。

さらにザックリ嚙み砕いて表現すると、

  • 同じサイフで生活しているか?

と直感的に理解することもできます。

「家族」の範囲が問題となるのは所得税だけ
とは言えません。

相続や贈与でも留意点が多々あります。

たとえば、個人事業主の事業承継。

家族間の事業承継でも相続・贈与税が関連します。

「相続時精算課税制度」は税負担を軽減する点で
有力な選択肢となります。

2,500万円の特別控除といった税負担軽減が期待できます。

とはいえ、金額だけに着目すると足元をすくわれます。

適用対象に制限があります。

「直系卑属」や「推定相続人」といったことばが並びます。

「家族」だけど相続時精算課税の適用対象外という可能性もあります。

「家族」間での事業承継といっても、

  • 親→子 ⇒ 〇
  • 親→子の配偶者 ⇒ ×

と制度の適用に差があります。

娘婿や息子の妻への事業承継で相続時精算課税は利用できません。

「家族」といっても税金との相性が不一致ということもある
制度上の一例です。

家族と税金 制度と一致するか?

所得税でも相続・贈与税でも「家族」が関連すると、

  • 税負担の軽減が見込める

といった納税者に有利な面がある一方で、

  • 日常的な「家族」と必ずしも一致しない

という制約もあります。

「家族」と一口に言っても血縁・感情・お金と
とらえ方の側面で表現が異なります。

税金ではストレートな表現としての「家族」は見えませんが、
明確な差異をもった仕組みがあります。

所得税や相続・贈与税での税負担を検討する際には、
「家族」と制度上の整合性にも留意する必要があります。

中長期での税負担軽減を検討する相続・贈与税では、
早い段階での確認がおすすめです。

 

蛇足
民法では725条以降の第4編「親族編」・第5編「相続編」が
「家族法」の範囲です。
ここでもストレートに「家族」という表現ではなく、
ややこしい問題があることが予想できます(笑)。

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