ひとり親とは 社会保障と税の違い

ことばの交通整理はちょくちょく必要です。


事務所と個人に届いた社会保障。

ひとり親 「ひとり」もいろいろ

21世紀になってから、「ひとり」という表現や名称をよく目にするようになった印象があります。
「おひとりさま(の老後、上野千鶴子さん)」、ひとり焼肉・カラオケ、ひとり税理士(井ノ上陽一さん)などです。
(私も勝手にひとり税理士を名乗っています)

「ひとり」であって、「一人」や「独り」ではない表記が一般的です。
大組織とは無縁に、独立してはいるけれど、孤立はしていないという状態を表しています。
「ひとり」という表現には肯定的な印象があります。

行政でも「ひとり」の表現が出始めています。
「ひとり親」という表現です。

社会保障や税金上の措置で現れます。
表記は同じなのですが、措置ごとのひとり親の適用基準を確認しておく必要があります。

ひとり親 手当と控除

まず、手当としてのひとり親です。
コロナ禍対策の一環で、政府は今後(第2次補正予算)で児童扶養手当を受給しているひとり親世帯への一時金を支給するとしています。
(一時金は5万円。第2子以降は3万円加算。)
この児童扶養手当を受給しているひとり親の収入と所得は、以下のように示されています。

ひとり親という表現は、税金でも登場するようになりました。
所得税の所得控除である寡婦(寡夫)控除が、「ひとり親控除(及び寡婦控除)」として改正されました。
これまでの控除は、婚姻歴の有無や男女間での差異がありました。
改正後は、婚姻歴や男女間での差異を解消して、その一方で所得を500万円以下で制限するという取り扱いになります。
ややこしいことに、適用基準は異なるものの「寡婦控除」も残ります。

改正後は、ひとり親控除or寡婦控除or非該当です。

ひとり親控除制度は、令和2年の所得から適用です。
とはいえ、納税者にとっての月々の源泉徴収は改正前の制度が適用され、年末調整の際に改正後の制度が適用されます。
令和2年(2020年)の年末調整の際に、前年末に提出してある「令和2年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の訂正をすることになります。

ひとり親 社会保障と税金

児童扶養手当(や一時金)の支給や所得控除の改正は、家庭環境での子育てでの格差解消の政策といえます。

「ひとり親」という表記からも、状況を好転させていくという意味が込められている印象です。

その一方で、政策を所管している行政機関が児童扶養手当は厚労省、ひとり親控除は財務省(国税庁)のため、同じことばを異なる意味で使っており、誤解の可能性が生じます。

社会保障(手当)と税金は身近な制度なので、ことばの確認が必要になります。

 

蛇足
かつて、ひとり親(家庭)はなぜだか差別対象でした。
「父無し子(テテナシゴ)」という表現がまかり通っていたのも、それほど昔の話ではありません。

 

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