副業でも帳簿をつくる理由 税制改正は令和4年分以降でも令和2年からスタート

ちょっとの手間が将来の保険になります。

副業でも帳簿 税務会計に「副業」は無い!?

年々副業への理解が進んでいる印象です。
終身雇用が事実上崩壊しているので、ようやくといった感ではありますが。

さて、「副業」ということばは税務会計では取り扱い注意です。
制度上、副業という文言の定義や規定が無いからです。

副業で収入のある方は確定申告が必要といっても、副業の中身で扱いが変わります。

副業の確定申告での取り扱いでは、まず所得分類が必須です。
所得分類によって、確定申告の処理が異なるからです。

たとえば、アルバイト。
雇用からの給与所得です。
本業以外のアルバイトでの収入が20万円超あれば、確定申告が必要です。
ただし、事業のような決算処理はなく、源泉徴収票があれば申告可能です。

これに対して、何らかのビジネスを副業で行った場合、雑所得となりえます。
働き方が雇用ではなく、請負や委任での業務。
事業所得ほどの規模や継続性は無いが、所得が発生しているビジネス。

雑所得では、現状帳簿作成は求められていません。

とはいえ、私は雑所得でのビジネスでも帳簿の作成をおすすめします。
(出世魚と確定申告 副業でも青色申告を意識しておく)

副業でも帳簿 税制改正で必要になる

雑所得では、「所得」が20万円超で確定申告が必要になります。
(収入ー経費=所得)

つまり、収入や経費を集計して確認しておく必要があります。

言い換えると、副業でのビジネスでも損益計算は欠かせません。
(所得はナンバーズのように好きな数字を書くものでもありません(笑))

損益計算上、帳簿を作成することに違和感はないはずです。

また、令和4年分以降の所得税では、雑所得でも帳簿の作成が必要になります。

ことばを補います。
令和4年分以降の雑所得では、前々年分(令和2年分)の収入金額により処理が異なります。

収入や経費の管理をせずに所得のみを把握できる方法はありません。
(収入ー経費=所得、ですので無理です)

副業でも帳簿 どの水準の帳簿か?

副業でも帳簿は必要という考え方が、将来の不安が減ります。

とはいえ、副業で多大な労力を費やすのは避けたいところです。

では、どういった水準の帳簿が必要か?

おすすめは、青色申告での帳簿作成です。
取引規模次第ですが、副業なら簡易簿記での記帳です。
会計ソフトではなく、エクセルなど表計算ソフトで作成可能です。

簡易簿記では、以下の帳簿を作成します。
・売掛帳・買掛帳・現金出納帳・経費帳・固定資産台帳

雑所得は、取引規模や継続性次第で事業所得にも分類される可能性があります。

帳簿の作成では、青色申告を目標にされることがおすすめになります。

 

蛇足
税制改正をみると、副業の扱いがこれまでおざなりだった印象を感じます。
終身雇用・副業禁止の前提からの移行途中でしょうか。

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