経費で落ちる!の損得勘定ができますか?
誰が苦虫を噛み潰すのか?
「経費で落ちる」・「経費で落とす」はある種の定番フレーズです。
無難に使えそですが、聞く側が苦虫を噛み潰す思いかもしれません。
誤解を招かないための理解がおすすめです。
経費で落ちる 定番ビジネスフレーズ?
とりあえず使っておけば無難なことばやフリーズがあります。
たとえば、メール冒頭の「お世話になっております」。
抜けていると、常識がないと無用な低評価につながりかねないので、
とりあえず冒頭に付けておくことが安全策となります。
同じように、「経費で落ちる」・「経費で落とす」があります。
業務上で何らかの支出をしたときなどに、
- 問題ないでしょ?
- なんか文句ある?
といった文脈で使われる定番フレーズです。
必ずしも間違って使われるフレーズではないのですが、
誤解が解消されないまま放置されているようです。
経費で落ちる どこに計上する?
「経費で落ちる」・「経費で落とす」という表現の実態は、
- 「帳簿」上、「収益に対応」する経費として「計上する」
という処理となります。
シンプルすぎる処理で誤解がなさそうですが、
- 収益に対応している
- 損益に影響を及ぼす ← 所得税・法人税と関連
- 帳簿への記録が必要 ← 裏付けの資料(領収書・レシート)必須
といった指摘ができます。
上記を別の面から言い換えることもできます。
- 収益獲得に貢献していない支出は対象外
- 消費税の納税額と混同されがち
- 裏付け無しでは経費性を主張できない
2023年(令和5年)10月から消費税インボイス制度が始まりました。
事業者が「2割特例」や「簡易課税」を選択している場合は、
売上額を基準にして納税額を計算します。
一方、「本則課税」で納税額を計算する場合であれば、
- 支出分が「仕入税額控除」に該当するか?
といった確認が必要となります。
経費であっても人件費や租税公課などは対象外となります。
仕入税額控除に該当した支出であれば、「登録番号」が確認の対象となります。
事業上の支出であれば、所得税・法人税・消費税の減少につながります。
ただし、適正な判断や経理処理といった過程が不可欠です。
経費で落ちる 苦虫を噛み潰さない!
「経費で落ちる」・「経費で落とす」といった処理は支出が前提です。
お金の流出、マイナスが前提となります。
事業の継続に不可欠なお金(事業資金)が減っているわけです。
「経費で落ちる」・「経費で落とす」といった処理を欠いてしまうと、
- 経費が想定より小さくなり
- 利益(所得)が大きくなってしまうことで
結果的に税負担額が増加すると残念な結果となります。
また、収益に対応した経費ではあっても、
- 過大な支出
- 不要な支出
といった場合は事業資金の流出で残念な結果となります。
「経費で落ちる」・「経費で落とす」は使い勝手のいいフレーズですが、
- 適正な経理判断と処理
- 支出の妥当性
といった配慮を欠くと経営上は苦々しく聞こえます。
ビジネスでの定番フレーズとはいっても見直す余地はあります。
見直しには適正な判断や処理を理解しておく必要があります。
地味な見直しといえますが、事業の継続にプラスです。
税理士によるサポートがおすすめです。
苦虫を噛み潰さずに済みます(笑)。
蛇足
アイキャッチ画像ははお客様から頂いたビールです。
すっかり乗り遅れて忘れていたラグビーワールドカップですが、
10月28日が決勝戦だそうです。
今週のスタエフ
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