手書き、スタンプ、入力、次は? 帳簿作成は効率化したが

効率化していても、利用できているとは限りません。


未使用のままの名前印・・・

私法も行政手続きも脱ハンコへ

脱ハンコの流れが強まっています。

2020年(令和2年)コロナ禍でオンライン手続き推進が加速して、民間も行政でも脱ハンコへ舵を切っています。
これまで政府も私法上の脱ハンコについて見解を示してきました。
(ハンコ無が本格化するか 政府のQ&A公表)

さらに、政府は行政手続きでの「認め印」の廃止を示しています。
14,700の行政手続きの内、12,400で脱ハンコとなるようです。
印鑑証明制度などが残るものの、大きな変化です。

帳簿作成の時代 手書き、スタンプ、入力

スケールはぐっと身近になりますが、会計事務所のサービスの記帳(帳簿作成)でも脱ハンコやオンラインへの移り変わりがあります。

かつて(昭和の時代?)、帳簿作成のツールは鉛筆・そろばん・伝票・紙の帳簿でした(たぶん(笑))。

ただし、そうした時代でも効率化は図られていました。
たとえば、
・「三枚複写式伝票」(総勘定元帳とは 三枚複写式伝票でも会計ソフトでも)
・売掛金や買掛金の管理表
・勘定科目スタンプ

帳簿の作成でも定型化されている勘定科目の記入に使われたのが「勘定科目スタンプ」です。
「消耗品費」・「租税公課」といった勘定科目の記入をスタンプで効率化していたわけです。

パソコンが帳簿作成のメインツールになってからは、「記帳」というより「入力」に処理が移りました。

パソコン・入力・定型、という連想から次にくるのは、コピーです。

ちょっとした変化と思われるかもしれませんが、目に見える効率化です。

定型の勘定科目だけでなく、毎月の定型処理(たとえば口座引き落とし)までもコピーできます。

そして、オンライン化でもう一段の変化が始まっています。

データの時代 効率化した変化を利用できているか?

オンライン化によるインターネットバンキングの利用やフィンテックの支援で、「入力」が「データの取り込み」になりました。

必要なデータをオンラインで外部から取り込むことが、帳簿作成のメインへと移っているともいえます。

現金での取引や決算処理を別とすると、帳簿作成は外部から取り込んだデータの処理が重要になったわけです。

表面上、手書きの時代→パソコンを単体で使っていた時代→オンラインの時代と帳簿作成の効率化の流れです。

しかし、一歩引いてみると効率化した成果を利用できているかは別です。

会計事務所としては、帳簿作成の効率化はありがたいところです(笑)。

一方で、経営者にそうした帳簿作成の効率化が伝わっていなかったのでは、パッとしません。

帳簿作成の効率化によって、過去と現状の把握の時間差が短くなっています。

帳簿作成の効率化による情報提供の早さを利用することも課題です。

 

蛇足
勘定科目スタンプには、インクのかすれ・ゴムの劣化・該当勘定科目の紛失などの思い出があります(笑)。

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