所得控除はタイムカプセルです 節税のためだけじゃない!
自分で仕込んだものでも長期間を想定すると
期待が膨らみます。
期待通りのなかみ(「梶助」小松市)
所得控除 ごちゃごちゃしている印象
年末調整で厄介者扱いされている書類は、
所得控除(しょとくこうじょ)に関連しています。
- 扶養控除等申告書
- 基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書
- 保険料控除申告書
上記の控除申告書の内容は確定申告書でも登場します。
所得控除は、
- 所得税計算のスタートである所得から
- 税金の計算の前に差し引く対象であり
- 節税の効果があり
- 将来の資産形成につながる
対象といえます。
所得控除は下記の内容です。
確定申告書では「所得から差し引かれる金額」の欄に集約されています。
一覧のなかでは下側にある雑損控除・医療費控除・寄付金控除は
年末調整では対象外のため、確定申告で処理します。
(ふるさと納税ではワンストップ特例を利用すると年末調整で対応可能)
所得控除が所得から差し引かれる金額ということで、
当年分の所得税の節税手段といえます。
ただし、もうちょっと踏み込んで所得控除をとらえると積極的な利用に
つながります。
所得控除 年金と退職金を準備する控除
所得控除のなかでも、
- 社会保険料控除
- 小規模企業共済等掛金控除
- 生命保険料控除
- 地震保険料控除
といった控除は将来の生活に関わる控除です。
生命保険料控除や地震険料控除は字面からも
将来に向かっている対象とわかります。
生命保険料控除では、
- 生命保険
- 介護保険
- 個人年金
という具合に個人の選択次第で年金の形成につながっています。
社会保険料控除も年金の形成に関わります。
- 国民年金
- 国民年金基金
- 厚生年金
日本の公的年金制度が国民皆年金であるので、
上記は必須の所得控除となります。
国民年金で過去に未納がある場合には、納付することで
将来につなげる効果だけでなく節税も達成できます。
小規模企業共済等掛金控除はフリーランス・個人事業主の退職金
を準備するための控除です。
iDeCo(いでこ・個人型確定拠出年金)も含まれます。
小規模企業共済等掛金控除の利用は
個人の判断に委(ゆだ)ねられています。
所得控除 セルフ方式のタイムカプセル
所得控除の効果が単年分の節税だけでなく、
将来の年金や退職金につながるのは魅力です。
とはいえ、自動的・機械的にはつながりません。
フリーランス・個人事業主といっても、
- 自営業なので国民年金のみ
- 国民年金基金も利用
- 法人成りをして厚生年金
と将来の選択肢があります。
さらに厚生年金では役員報酬次第で状況が異なります。
小規模企業共済等掛金控除は、
- 利用の有無
- 掛金の金額
でさえも選択の余地があります。
ポジティブな見方をすれば、柔軟な対応がとれます。
悪くみれば、場当たり的で一貫性のない対応になります。
所得控除には節税だけでなく、将来につながるタイムカプセル
ともいえる効果を埋め込めます。
とはいえ、所得控除のタイムカプセルはセルフ方式の利用です。
どういった判断をとるかという以前に、
- 経営の現場
- 手元のお金の状況
- 将来像
を洗い出すことがおすすめです。
蛇足
職業柄よく目にする「控除」ですが、税金以外の話題が
思い浮かびません。
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