確定申告を前倒しするとゴールが複線化できますよ! 締め切りだけがゴールじゃありません!

そろそろ確定申告のアナウンスの時期ですね。

前倒しで複線化 間に合って良かった?

「間に合って良かった」・「ほっとした」ということばを聞くと
ビミョーな気持ちになることがあります。

お客様からの感謝や労(ねぎら)いのことばであっても、
もやっとした気持ちが残ります。

確定申告の処理だけを依頼する年一(ネンイチ)のお客様の場合、

  • 確定申告のゴール = 締め切りまでの書類提出

が暗黙の前提となっているようです。

さらに突っ込んで考えてみると、

  • 税務会計の処理は機械的に一つに決まる

という前提もありそうです。

「間に合って良かった」と言われて税理士がもやっとするのは、

  • 上記の前提に反論したいが、
  • もはや打つ手無し

という状況に居心地の悪さを感じるからです。

前倒しで複線化 経営の成果の確定もセット

確定申告、とくに事業所得の場合では、

  • 税金の負担額を確定するだけでなく、
  • 決算と申告により成果を残していく

という経営者の成果の確定もセットです。

2021年(令和3年)分の確定申告であれば、

  • 2021年分の所得税額
  • 2021年の経営成績
  • 2021年に残した将来への成果

が確定することになります。

確定申告のゴールを締め切りまでに書類提出ととらえると、
将来に向かって残るはずの成果がすっぽ抜けます

確定申告の処理は一見すると当年分の所得税計算にみえます。

申告書の様式が当年分の処理だけを対象にしているからですが、
実際には成果は累積します

たとえば、将来の資産として、

  • 小規模企業共済
  • iDeCo
  • 国民年金や年金基金や付加年金
  • 個人年金
  • NISAなどの投資
  • 預貯金

上記は一年だけ取り組む対象ではありません。

長期継続して取り組む対象です。

さらに、上記のような資産の形成は、

  • 経営者のもつ将来像や
  • 経営の状況

によって変化します。

言い換えると、将来に残る成果は唯一つのゴールのかたち
ではありません

前倒しで複線化 早期着手は面倒でおすすめ(笑)

確定申告の処理の前倒しをおすすめする理由は、
選択できる可能性を無駄にしないためです。

選択肢は無限ではありませんが、早い段階で状況がわかれば、

  • 今年だけでなく
  • 来年以降も対象にして

手が打てるかもしれません。

早期着手のポイントは、現状の把握が出発点です。

期待できるゴールを複線的にとらえる、想定できるためには、

  • 正確な情報やデータと
  • 処理と判断の時間
  • 処理時点以降の想定

が必要です。

皮肉な見方ですが、確定申告の処理を締め切りだけにみすえると、
複数のありえる将来のことを考える面倒くさいことはスルーできます。

確定申告の早期着手は面倒くささをスルーしない、面倒に向き合う
ということのおすすめでもあります(笑)。

 

蛇足
さて確定申告のアナウンスの準備…

今週のスタエフ

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