大人の超入門確定申告Vol.2 決算
何が目的で、何をやっているのか?

「決算」から「クリアランスセール」が連想できるくらい(笑)
といった方が世の中の大半です

大事なイベントのようだとは推測できても、何が目的で、
何をやっているのか?、ブラックボックスかもしれません。

経営者以外の方にも関連する可能性があるので、
超入門版での理解がおすすめです。

クラッシックな車止めと枕木

超入門決算 セール以外の視点とは?

12月の年末や3月の年度末になると「決算」の表示を見かけます。

「セール」とセットになることは経験からわかっているはずです(笑)。

セールには「棚卸」やクリアランスと「在庫」もセットになります。

経理担当者や経営者が決算処理でヤキモキしている
といった光景も見かけるかもしれません。

決算と在庫の管理が関連していると想像しつつ、

  • 何が目的なのか?
  • 何をしているのか?

と疑問でもやもやします。

決算とはシンプルにまとめると以下のとおりです。

  • 事業の1年間の経営成績と財政状態を確定させること

超入門決算 損益計算だけじゃない!?

個人でも法人でも経営は継続を前提としつつも、
「1年間」で区切って税務会計の処理を行います。

個人事業では1月1日から12月31日の暦年が区切りとなり、
法人では各事業者ごとに決算月を決めておきます。

法人は3月決算の事業者が多く、11月決算は最少だったりします。

決算の処理は会計上「決算書」にまとめられます。

代表的な決算書は以下の2つです。

  • 損益計算書‐経営の成績、売上・経費・利益
  • 貸借対照表‐財政状態、資産・負債・純資産

損益計算書は売上・経費・利益が登場するのでピンときますが、
貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)はわかりにくい印象です。

貸借対照表は期末・決算時点での残高で構成されます。

たとえば、預金。

銀行の決算日時点での残高が貸借対照表に記されます。

貸借対照表と損益計算書は別物・無関係ではありません。

決算でおなじみの在庫、棚卸商品。

仕入れた商品のうち売上原価となるのは売上対応分です。

  • 仕入-期末在庫=売上原価
  • 売上-売上原価=売上総利益
  • 期末在庫=翌年・期首在庫

期末に残っている在庫は翌期の期首の在庫となります。

「決算」と「棚卸」がつながります。

あるいは建物や機械の固定資産。

購入時点に取得価格は貸借対照表に計上するものの、
毎年の経費は耐用年数に応じて「減価償却費」で計上します。

売上はお金の受取額と判断する現金主義ではなく、
納品やサービス提供での発生主義で計上します。

売上が未回収であれば、売上と同時に「売掛金」も計上します。

  • (借方)売掛金 (貸方)売上

取引先ごとに売掛金の決算日時点での残高を確かめる必要があります。

取引先といっても事業者はかりではなく、個人も含まれます。

取引先が多く、取引件数が多いと売掛金の管理にも時間を要します。

支払の請求を受けているのであれば、買掛金や未払金でも
同じように貸借対照表に計上します。

貸借対照表に計上される科目ごとに残高確定が必要です。

超入門決算 税務申告と次期繰り越し

個人事業であれば所得税の事業所得、法人であれば法人税と
決算後には税務申告が続きます。

  • 売上-経費=利益≒所得 → 所得税・法人税

決算は会計での処理ですが、税務申告につながるわけです。

決算は所得税・法人税と強くつながっていますが、
消費税が無関係ということではありません。

消費税も経営に関連した税務申告である以上、
決算とも関連しています。

決算は1年間の期間で事業経営を区切る処理ではあるものの、
貸借対照表で期間をつなぎます。

  • 今年の期末=翌年の期首

スカッとリセットとはいきません(笑)。

決算は決算書や関連する税務申告へと影響するだけでなく、
将来の経営にも影響します

決算には資料・データ、適切な処理や判断、時間が必要となります。

決算では会計と税務、当期と翌期への影響を検討することもあり、
税理士への依頼も選択肢となります。

 

蛇足
アイキャッチ画像は配線になった鉄道の駅舎跡にある車止めです。
線路と接続していないオブジェで、枕木は往時の木製です。
枕木は会計処理の「取替法」の例でとりあげられていましたが、
現在はガードレールでの説明が目立つようです。
(取替法は多数の同種の物品で構成される固定資産での会計処理です)

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