ボックス図2 会計とキャッシュフローをつなげるツール
シンプルなツールのボックス図ですが、使い方次第で魅力が引き出せます。
ボックス図2 会計とキャッシュフローのマリアージュ
適正な会計処理が経営状態を表す。
理屈としては真っ当です。
理屈としては、・・・
とはいえ、真っ当な会計処理とお金の動き(キャッシュフロー)が
つながっている実感は決算書だけをみていてもわかりません。
だからこそキャッシュフロー計算書の出番となります。
柔軟なキャッシュフロー計算書の作成が会計とキャッシュフローを
マリアージュしてくれます。
(間接法のキャッシュフロー計算書を改造する)
そうした会計とキャッシュフローをとりもってくれるツールが
「ボックス図」です。
ボックス図は以前とりあげました。
(ボックス図 税務会計の非標準ツール)
今回はキャッシュフローの理解の観点から紹介します。
ボックス図2 売上とキャッシュフロー
損益計算書の売上は発生主義が反映されています。
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もし、売上がすべて現金で回収できていたなら、
売上=営業収入キャッシュフロー(CF)、となります。
しかし、売上を計上していても、お金の回収ができていないときには
売掛金といった勘定が計上されます。
(現金商売は売掛金を瞬時にすべてお金で回収、といえます)
売掛金をボックス図で整理します。
必要なデータは期首と期末の残高、そして売上高です。
回収したお金、営業収入CFは上記のデータから算出されます。
売上高と売掛金の増減額の調整関係は、
売掛金の増加が売上金回収にはマイナスになります。
営業収入CF=売上高100-売上債権増加額(期末10-期首0)=90
ボックス図2 売上原価とキャッシュフロー
売上高と売掛金をつなぐボックス図はシンプルです。
一方、仕入による支出とCFはちょっと込み入ってます。
原因は、仕入による支出は棚卸資産という在庫と買掛金が
関連しているからです。
ボックス図でも会計上の売上原価と棚卸資産、買掛金のつながりを
見える化することになります。
まず、棚卸資産の増加額は仕入れた分の未回収ともいえるので、
CFではマイナス要因です。
これに対して、買掛金の増加はお金に余裕ができるので、
CFではプラスの要因です。
仕入による支出=売上原価80-棚卸資産の増加額(20-10)+買掛金の増加額(10-0)=80
ボックス図には貸借対照表からの期首と期末残高、発生主義の損益計算書、
お金の動きのキャッシュフローが集約されます。
ボックス図2 理解のためのコネクター
ボックス図というと、税理士や会計士受験者の勉強用のツール
という印象が一般的です。
間違いではありませんが、ちょっと残念なとらえ方です。
ボックス図は、会計知識による専門的でわかりにくい処理と
本来わかりやすいお金の動きであるキャッシュフローをつなげてくれます。
ボックス図は、受験勉強のツールとしてだけでなく、
専門知を直感的に把握させてくれるコネクターとして
税理士と経営者をつないぐツールでもあります。
蛇足
タイトルを「2」にするか、それとも「改」か、「シン」をつけるかで、
30分悩みました(笑)。
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