会計と税金の計算を混同する原因とは?
初歩的な見方で整理できていますか?
会計と税金の計算が重要なことはピンとくるはずです。
わかっている方にとって違いは明白です。
一方で、理解や慣れが不充分だと不安の対象でしかありません。
初歩的な事項の確認は不安解消の特効薬になります。
計算の混同 不可能でも見通せる?
税務会計の知識や体系は膨大です。
困ったことに制度の変更も頻繁にあります。
全ての制度や法律に通暁して、あらゆる業種に対応する
といったことは不可能です。
私は税理士ですが、やはり不可能です(笑)。
他方で、税務会計のおおよその見通しはつけられます。
傍目には、カンが良いようにみえるかもしれません。
あるいは、難解な知見を有していると過大評価されるかも(笑)。
どちらも誤解です。
初歩的な見方で問題を整理して、見通しを立てることで、
混乱しないようにしています。
計算の混同 会計・所得・消費税
会計と税金は関連していても、仕組みはそれぞれ別です。
■会計
- 事業経営のお金の管理
- 複式簿記・会計ソフトを利用する
- 1年に一度決算書を作成する
- 決算書は損益計算書と貸借対照表
■税金
- 事業に関連した税金の申告
- 事業の利益(所得)と関連する税金
- 所得税・法人税
- インボイス登録をしている事業者の税金
- 消費税
■処理の流れ
- 会計→税金
- 会計処理は帳簿の作成から決算書の作成まで
なんだかパッとしないAIの回答のようです(笑)。
とはいえ、上記程度の整理もつかない状況では
混同が連続して混乱してしまいます。
たとえば、事業での所得税。
白色申告と青色申告での大きな違いもありますが、
青色申告であっても、
- 複式簿記 or 簡易(単式)簿記
- 電子申告 or 書面で申告
といった違いで所得税負担が異なります。
消費税の計算では、
- 本則課税
- 簡易課税
- 2割特例
と選択の余地がありますが、所得税計算とは別物です。
青色申告の「簡易」簿記と消費税の「簡易」課税には、
まったく関係がありません。
会計と税金の計算では、どちらも引き算があります。
引かれる対象は「経費」と「所得控除」です。
- 売上-経費=利益 ← 会計
- 所得-所得控除=課税所得 ← 税金
計算の構造は同じでも対象がまったく異なります。
計算の混同 見通しを立てる!
会計も税金の仕組みは複雑です。
他方、取り扱う全体像の見通しを立てるには
初歩的な知識による整理・分類で片付きます。
会計と税金の対応が停滞している場合には、
初歩的な段階からの整理がおすすめです。
初歩的な段階をクリアしている場合には、
- 他の可能性の検討
- 青色申告、電子申告、法人成り
- 業務の効率化
- 小規模企業共済等の利用 etc
といった検討を進めることができます。
まずは見通しが立てられるかどうかの確認がおすすめです。
税理士のサポートは有効な選択肢になります。
蛇足
アイキャッチ画像は親戚からいただいた梨です。
城崎産(兵庫県)ということで包装紙にも温泉マーク入りです。
2024年(令和6年)も美味しくいただきました。
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