税金を正しく怖れることもスキルアップです!
相続税の申告事績と調査等の状況
「知っているだけじゃダメ」や「アウトプット重視」は無視できませんが、
前提となる知識がすっぽ抜けでは空回りします。
他人事のような税金だからこそ冷静にみていられる
というアプローチもあります。
たとえば、相続税。
税金を怖れる 何を騒いでいるのか?
税金に関わる問題は何かと注目されます。
12月中だけをみても、
- 年末調整
- 確定申告
- 税制改正大綱
といったことが話題としてあげられます。
年末調整は直接かかわる可能性が高いことが多いので、
具体的な問題に直面することが多くなります。
一方で、注目されがちだけどわかりにくい対象が
与党の「税制改正大綱」だったりします。
年末調整と税制改正大綱だけを並べてみると、
関心の度合いの大きさがわかります。
12月は与党の「税制改正大綱」が注目されがちですが、
他にも注目したいレポートがあります。
- 相続税の申告事績の概要
- 相続税の調査等の状況
いずれも国税庁から公表されています。
税金を正しく怖れるためのスキルアップの一環として
上記のレポートが役立ちます。
税金を怖れる 事績報告と調査等の状況
「申告事績の概要」も「調査等の状況」も事実が淡々と表されています。
パッと見ただけだと、ポイっとほったらかしそうな印象です。
■「申告事績の概要」
A4で4ページと分量が少なく、表とグラフのみで構成されています。
140万人以上の被相続人といっても相続税が発生しているのは1割未満です。
とはいえ、相続人となると30万人近くいるわけで少なくありません。
また、税負担額が発生する場合、1800万円以上と無視できない金額です。
相続財産の構成や金額は以下の通りです。
預貯金や不動産(土地・家屋)が多いなど予想通りかもしれません。
■「調査等の状況」
「重加算税」といったいかにも重苦しい調査の結果が示されています。
しかし、そうした重苦しい問題だけではない実態もあります。
電話や税務署でのやりとりによる申告の漏れや計算誤りでの「簡易な接触」
といった結果もあります。
目立つ事案は無申告事案です。
実地調査対象の内、9割近くでの無申告が確認されています。
税額も大きく無視できません。
「調査等の状況」では贈与税に対する状況も報告されています。
円グラフで確認すると、インパクトがあります。
税金を怖れる 余裕を活かす
「申告事績の概要」も「調査等の状況」も内容は難解ではありません。
むしろ税金や税法に詳しくない方にも現状が伝わる内容が大半を占めます。
「無申告」や「追徴税額」といった物騒なことばが並びながらも
煽情的な印象は受けにくいはずです。
とはいえ、相続税・贈与税における申告トラブルが軽い
というわけではありません。
「申告事績の概要」も「調査等の状況」の淡々とした現状を知ることで
とるべき対策が明らかになっていくはずです。
時間だけでなく、正確な事実を知っていることも
税金を正しく怖れるスキルアップにつながります。
■関連
蛇足
最中は皮(最中種)にメッセージが文字で装飾されることがあります。
アイキャッチ画像の最中種には篆刻で「水作味」の表記だそうです。
パッケージは加賀千代女の俳句です。
- 三日月の頃より侍し今宵かな
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