決算の後はキャッシュフローでザックリ振り返る 経営の傾向と方向がわかる

ザックリ、気になったら詳細分析へ。


新緑のソメイヨシノ

決算後CF お金は正直なもの

法人の決算申告が終了して決算書や申告書をみると、
げっぷが出ます(笑)。
もう一杯です・・・、と。

税理士や会計事務所としては決算申告の処理完了が
一応のゴールです。

その一方で、経営者にとっては決算申告の完了は
次期の(形式上の)スタートです。

前期の状況を踏まえつつ、次期(当期)の手を打つことになります。

とはいえ、発生主義の会計処理やややこしい税法での処理だけをみると
経営を振り返るどころか、かえって混乱します。

お金の動きをもとに経営の状況や動向をザックリ知ることがおすすめです。

決算後CF ザックリのキャッシュフロー

中小企業では、キャッシュフロー計算書の作成義務はありません。

しかし、お金を視点においた経営分析は実態を把握する手段として有効です。
会計の発生主義や税法の処理に左右されない分析ができます。

キャッシュフロー計算書で対象とするお金とは、現金預金です。
(厳密な定義より現実的な処理を重視しています)

年度の初め(期首)と終わり(期末)の差がキャッシュフロー(Cash Flow)となります。

CFは以下の3つに区分します。
中小企業での活動を前提にすると、区分のなかみはざっくりと、
営業活動によるCF:本業でのお金の増減、投資・財務以外のCF
投資活動によるCF:投資、とくに固定資産の購入や処分でのCF
財務活動によるCF:借入と返済のCF

貸借対照表を2期分と総勘定元帳や固定資産台帳があれば、
上記の概算額はわかります。

CFを分析のためだけにつかうのならば、金額の単位も千円、万円で
問題ありません。
まず、全体のCFと各区分のCFのプラスとマイナスの把握を優先します。

決算後CF パターンと期間比較

CFの分析はパターン化(類型化)できます。

3つの区分でプラスとマイナスの2通りですので、合計8パターンです。

営業 投資 財務 ざっくり分析
1 + + 財務改善、リストラ中
2 + 堅実、優良経営
3 + + 積極投資で成長へ
4 + 一時しのぎ
5 + + 本業不安
6 + これから大勝負
7 + + + 将来へ投資
8 不思議ちゃん?

CFの分析は期間比較がおすすめです。
3期以上の期間比較をすると、自社の経営の傾向や動向がわかります。

また、次期(当期)以降の経営計画とCFの動向がかみ合っているか
といった視点も、ザックリと検討できます。

キャッシュフローの分析や移動年計の把握は必須ではありません。
(移動年計の作り方と見方 サクッと作って、ザックリ見える化)

しかし、中長期の視点をもつには有効な手段でおすすめです。

 

蛇足
本文中の表の「8」は分類上書きましたが、
本業不振ながら投資中、かつ返済続行・・・
といった状況です。

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