貸借対照表と発生主義をセットで理解する!
現金主義と現物だけではわからない!
「手を替え品を替え」試行錯誤が続きます。
今度こそ貸借対照表の理解を攻略!?
難物のB/S 低い鼻でも折られる
税理士という職業はある一面では翻訳業ともいえます。
専門用語の内容を理解できるように伝えることも仕事です。
このブログでも、そうした「翻訳」の記事を投稿しています。
たとえば、「貸借対照表」。
(Balance sheet、B/Sと省略します)
損益計算書に比べてとっつきにくい印象があります。
下記の記事では、サクッと貸借対照表を理解できる
ハズと思って投稿しました。
しかし、世間の理解は甘くありません。
低い鼻でも折られるときは折られます(笑)。
そんな訳で、貸借対照表の理解への再挑戦です。
難物のB/S 発生主義と現金主義・現物
以前の投稿記事の要点を確認してみます。
上記の例として、現金・預金をあげました。
手元の現金や通帳等で確認できるので誤解がありません。
棚卸資産である商品も数量と単価を確認すれば把握できます。
問題となりそうな勘定科目は、
- 売掛金・買掛金・未払金
- 減価償却の対象となる固定資産
といったところだと思います。
ストレートな理解を妨げそうな共通の要因は、
- 「発生主義」
といった考え方にありそうです。
発生主義についても過去に記事を投稿しました。
ザックリした売掛金と発生主義のイメージは以下の図です。
個人事業主での売上での請求と会計処理の例を想定してみます。
■売上を請求 → 売掛金の発生
- 11月20日 A商店に 70,000円
- 12月25日 B工務店に 90,000円
■請求額の入金 → 売掛金の消滅
- 12月5日 A商店より 70,000円
- 翌年1月5日 B工務店より 90,000円
■決算日(12月31日)の売掛金は?
- B工務店未回収分 90,000円
お金の動きに注目する現金主義であれば、
- 入金 → 売上の計上
ですが、発生主義での処理では、
- 売上の計上とお金の動きは分ける
といった考え方をとります。
売掛金のボックス図で確認してみます。
発生主義での処理をとることで、
- 事業の継続状態を会計に反映させる
という効果を狙っています。
難物のB/S 帳簿と決算書は会計空間
お疲れ様でした(笑)。
経理や会計を領収書やレシートを電卓を使って後始末
ととらえていると理解の壁にぶつかります。
貸借対照表のわかりにくさを克服するために
発生主義の理解が必要になります。
発生主義は、
- お金の動きと計上額を直感的にわかりにくくしている原因
ともいえます。
大げさに表現すると、
- 帳簿や決算書は発生主義による会計空間でつくられる
ということもできます。
発生主義は直感的にピンとこない印象かもしれません。
とはいえ、発生主義といった会計上の考え方がわかると、
- 複式簿記
- 決算処理
- 貸借対照表
といった「???」を「!!!」に変えるきっかけになります。
会計の処理や貸借対照表での違和感をもったときに
「発生主義」という考え方が見通しを良くしてくれます。
蛇足
発生主義の会計とお金の動きが不一致じゃ困るんじゃないか?
というツッコミに応えたのが「キャッシュフロー計算書」です。
- タグ → 「キャッシュフロー」をご参照ください。
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