消費税の納税 抽象的でわかりやすいけど、直感的じゃない

サブタイトルがひねりすぎですかね。

消費税の納税 確定申告は所得税だけでなく

11月になり会社勤めの方だと年末調整の季節です。

住宅ローン初年度や医療費控除が見込まれる方や経営者にとっては、新年後の確定申告が徐々に気になるところです。

年末調整も確定申告も個人所得税でとらえられることが一般的です。

そうした税金→所得税は正しいのですが、ことば不足です。

とくに留意をおすすめしたいのは、消費税です。

消費税の納税 抽象的でわかりやすいが、直感的じゃない

確定申告で消費税!?、といっても納税が必要なのは事業者の方です。
例年なら年末調整で済んでいたけど、住宅ローン初年度や医療費控除で確定申告をすることになった方は関係なしです。

個人で事業活動をしていて、売上高が1,000万円以上の消費税の課税事業者も確定申告により消費税の納税が必要です。

消費税の仕組みは、簡潔に表現すると下のようになります。
(受け取った消費税額) - (支払った消費税額) = 納税額

シンプルな印象です。

とはいえ、シンプルな構造だから納税がスムーズにいくかは別問題です。

落とし穴は、納税のためのお金です。

取引の後で納税という展開は、所得税も消費税も同じです。

とはいえ、経験論になりますが、所得税と消費税では納税の実感が異なります。

所得税は、所得という儲け・利益から税金が発生します。
大雑把に、収益→費用→利益=所得→所得税、といった直感的な流れで把握できます。

これに対して、消費税の納税額は受取と支払の差額という抽象性のため、ピンときません。
所得税のように、利益(所得)という直感的な判断の手掛かりが見出しにくいともいえます。

消費税の納税 納税予想が予防

フリーランス・個人事業主の方では、いわゆる「年一(ネンイチ)」で会計事務所を利用されるケースも多いかもしれません。
(税理士業界の収益構造 年一(ネンイチ))

確定申告は避けようがないイベントですし、事業の動向については経営者が最も詳しいわけですから、年一での決算・申告という選択もありです。

所得税については、直感的に納税を想定できるかもしれません。

しかし、消費税の納税、とくに課税事業者になったばかりでは、なかなか納税額を具体的にイメージできないかもしれません。

そうした場合、決算・申告の処理が終わった状態でようやく納税額の全貌が判明することになります。

結果的に納税のお金は足りるかもしれませんが、納税時点の活動やその後の経営の足を引っ張る可能性もあります。

早めに納税の予想額を知っておくことが、納税でのトラブル予防になります。

 

蛇足
所得税額より消費税額で驚かれることはよくあります。

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