災害後の税金の取り扱いの違いを確認!
国税と地方税・権利と義務の違いとは?

災害の発生以降、生活も事業の環境も一変します。

平時では不変だったはずの取り決めが変更されたりもします。

ただし、変更の取り扱いが一律ではないことに注意が必要です。

災害と期限 平時の不変が変更される

地震であれ豪雨・台風であれ、災害は理不尽に生活や
事業の環境を一変させます。

できるはずだったことができなくなります。

「令和6年能登半島地震」にも当てはまります。

2024年(令和6年)1月1日に発生した大地震によって
環境が激変しました。

平時であれば予定通りできたはずの生活や事業ができない
といった状況がが続きます。

一方で、法律上の期限はあらかじめ決められています。

理不尽な災害に対応した法律や運用が必要となります。

災害と期限 国税と地方税

令和6年能登半島地震では国税庁より以下の申告と納付等の
期限の延長が公表されました。

要点は以下の通りです。

  • 全ての国税が対象
  • 申告、申請、請求、届出、納付等の手続きが対象
  • 地域指定
  • 自動的に延長される

平時は注目されない法律ですが、「国税通則法」に規定があります。

国税通則法は国税共通のルールを取り扱っています。

出典 税大講本

災害による申告・納付の期限の延長は国税通則法の第11条が根拠です。

国税通則法施行令第3条も関連しています。

申告・納付の期限の延長が情緒的でも付け焼刃的な対応でもない
法律上の裏付けがあることがわかります。

一方で、上記の取り扱いは「国税」が対象です

「地方税」は別途確認をとる必要があります

期限の延長が適用となっても、「自動的に延長」とは限りません。

むしろ、各税目や自治体ごとに手続きを確認していくことになります。

たとえば、令和6年能登半島地震での石川県での県税の申告・納付等の期限の延長。

自動車税や事業税の減免制度も税目ごとの申請が必要です。

市町村でも同様の措置が想定できます。
 (2024年1月10日時点では未確認)

個人住民税や固定資産税等の減免を含めた申請を確認する必要があります。

災害発生時には生命を守ることが最優先です。

上記の確認は罹災証明の申請などと並行して行うことになります。

災害と期限 権利と義務

災害が発生すると、平時とは異なる非常事態への対応がとられます。

令和6年能登半島地震でも「災害救助法」や「特定非常災害」指定
といった対応がとられました。

特定非常災害」指定では災害による影響から権利の保護がなされます。

法律の名称からもわかります。

  • 「特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律」

「特定非常災害」指定により消費税や相続税での権利保護が期待できます。

他方、「義務」の扱いは権利の保護とは異なります

国税と地方税、地方税でも都道府県と市町村といった違いもあります。

災害に対応した税金の措置と一口にいっても、権利と義務だけでなく、
国税と地方税で分けて対応する必要があります。

平時であれば税金への関心は金額と期限に集中します。

災害による非常事態では、国税と地方税や権利と義務といった
税金の分類で課題を整理していくことになります。

 

蛇足
税金の分類は義務教育でも言及されます。
実益の乏しい雑学の印象かもしれませんが、
生活や実務ともしっかりつながっています。

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