決算書も申告書も生ものです 4月15日を締め切りにする留意点

できるできないよりも、どれくらいできるか?


河津桜

決算書も申告書も生もの 無申告では補助も借入もアウト

2021年(令和3年)1月より北陸では大雪だったものの、
2月は平均気温も高く、「暖冬」という結果でした。
冒頭の写真のように河津桜も順調に咲いています。

桜とは別に変則的な動向をみせているのが、確定申告。
コロナ禍対応ということで、申告期限が4月15日まで延長されました。

忙(せわ)しない3月から4月の時間的余裕は不幸中の幸いです。
慌てずに決算申告の手続きを進められます。

4月15日より後の期限後申告では、青色申告特別控除が10万円で頭打ちになります。

無申告には、延滞税や無申告加算税といったペナルティがあります。
また、コロナ禍での補助金や助成金、さらに銀行からの借入は、
税務申告をしていることが前提です。

決算書も申告書も生もの 情報は経年劣化する

締め切りを守って申告を進めることはペナルティ防止だけでなく、
決算や申告の質を確保する上でもプラスです。

たとえば、棚卸(たなおろし)。
売上原価を決定するためには、期末時点(12月31日)での在庫状況を知る必要があります。
(ボックス図 税務会計の非標準ツール)

また、事業での取引は発生主義で把握します。
(発生主義を請求書でイメージする 副業も発生主義で)
お金の出入りではなく、「発生」という考え方で収入や経費を判断します。

決算や申告は、銀行通帳や領収書・レシートさえあれば、
なんとかなる、申告はできるという印象があります。
そうした印象は間違いではありません。

しかし、曖昧な情報や不確かな情報にもとづく決算や申告では、
申告義務を果たすことすら覚束なくなります。
まして節税や将来の資産形成といった成果は得られません。

決算や申告に必要な情報は、時間とともに劣化します。
決算書も申告書も生ものといってよい成果物です。

決算書も申告書も生もの 心構えより仕組みでフォロー

決算や申告がなんとなく遅れがちになるのは、
性格や心構えの問題ではありません。

知識や仕組みでのフォローが不足しているから、
本来得られたはずの成果を逃すのです。

たとえば、
・申告さえできればいいわ、ではなく
→申告だけでなく、節税や将来の備えもしたい。
・年一で年明けに税理士へ資料丸投げ、ではなく
→年内に決算申告を見込んだ措置をとる。
・ノートに収入や経費を記帳して、電卓で集計、ではなく
→クラウド会計やインターネットバンキングを利用する。

知識や仕組みを経営者だけで充足させる必要はありません。

現状をほったらかしにしない選択肢はあります。

 

蛇足
できない理由をあげつらう減点主義の方とは距離を置いています。

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