確定申告の雑損控除・災害減免法の準備は
年内に済ませましょう!

今年のトラブルは今年の内に完結させましょう。

準備は年内に 有名だけどマイナーな項目

どんなテーマを扱っても有名・無名、メジャー・マイナー
といった違いがでてきます。

たとえば、確定申告。

「所得」のメジャーといえば、

  • 給与所得
  • 事業所得
  • 不動産所得
  • 雑所得(年金)

といったところがあげられる一方で、

  • 山林所得

となると確実にマイナーです。

私は勤務時代から税理士として独立した現在に至っても、
山林所得での申告に関与したことがありません。

また、所得控除こうじょでは、

  • 勤労学生控除

といったマイナーな控除があります。

こちらも私はお目にかかったことがありません。

上記とは別に、マイナーな所得控除ですが、

  • 雑損控除

は利用する方が潜在的には多そうな控除です。

準備は年内に 対象と準備の確認

「雑損控除」とはいいますが、雑所得とは関係ありません。

確認しておきたいポイントは以下の項目です。

  • 損害の原因
  • 損害を受けた資産
  • 確定申告のための準備

まず、どんな「原因」で損害を受けたかを確認します。

自然災害による損害がわかりやすい例です。

雪害・落雷といった損害も雑損控除の対象となります。

私の住んでいる北陸地方(石川県)は雪も落雷も多いので、
損害原因では地域差がみられるかもしれません。

次に損害を受けた「資産」を確認します。

対象となる資産では、

  • 所有者
  • 資産の性格

両方の要件をクリアする必要があります。

所有者では、

  • 納税者
  • 家族

のどちらかに当てはまるかどうかを確認します。

資産の性格では、以下が不適当となります。

  • 事業用の資産
  • 「生活に通常必要でない資産」

事業用の資産への損害は事業上の損失として計上する
ということになります。

そして、雑損控除の手続き。

給与所得者であっても、雑損控除は年末調整の対象外です。

確定申告での手続きが必要です。

雑損控除の申告で裏付けとなる領収書などの確保が必要です。

  • 罹災証明書
  • 資産の明細(資産の内容、取得時期、取得価格)
  • 被害に関連した支出の領収書
  • 被害により受けとった保険金や見舞金の記録

上記に加えて、災害状況のわかる写真なども役立ちます。
 (浸水の程度や土砂の流入も処理に反映するためです)

災害の記憶は残っていても、記録がないと雑損控除に差し支えます。

毎年2月から3月にかけての確定申告期は、

  • 確定申告の提出期間であって、
  • 確定申告の準備期間とは一致しません

という点を早めに確認すると、確定申告がスムーズに済みます。

準備は年内に どっち?で悩まない

損害と確定申告をめぐっては、類似した仕組みで「災害減免法」があります。

雑損控除も災害減免法の適用も所得税の負担を軽減してくれます。

とはいえ、適用できるのはどちらか一方です。

シミュレーションが必要か!?、と不安になりそうですが、
「確定申告書等作成コーナー(国税庁)」で自動判定してくれます。

雑損控除と災害減免法のどちらの適用が有利かということよりも、

  • いずれの適用も可能な資料の準備する

といったことを優先することになります。

損害発生とリカバリーの一環としての確定申告は期間が隔たります。

記憶がはっきりしている間に、記録となる資料の準備がおすすめです。

 

■関連

 

蛇足
源泉徴収と年末調整で所得税の処理が済んでしまう弊害は
確定申告のハードルを高くしてしまうことです。
税金の申告を毎年のお金のメンテナンスの一環と考えると、
それほど違和感は強まりません。

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