税務申告より会計処理を優先する理由とは?
手が打てる時期を優先する!
現行制度が「確定決算主義」だからです。
以上(笑)。
記事の最短記録を更新することが目的ではないので(笑)、
もうちょっとことばを補います。
申告より会計 腕の見せどころか?
税理士の仕事といえば、税務申告書を作成すること
といった印象かもしれません。
確定申告の相談会場などで黙々と来場者の申告書を作成する
毎年の光景もあります。
対象者は少ないものの、相続税の申告が必要となる場合には、
申告書の作成を税理士に依頼することが一般的です。
申告書の作成は税理士の重要な業務です。
税理士以外の方が申告書を無償で作成しても税理士法違反となります。
一方で、申告書の作成が税理士にとって唯一の腕の見せどころ
と思われると誤解があります。
申告より会計 腕の見せようがない!?
事業の規模や業種に関係なく、税務申告は必須です。
会社の法人税申告では申告書を提出するだけでなく、
決算書もセットです。
個人事業でも同じように申告書と決算書はセットです。
事業経営を反映させた決算書、税負担を申告する申告書
と内容は別物です。
ただし、会計処理の結果を税務申告に反映させるため、
決算書と申告書はつながっています。
会計と税務申告の処理が断絶しているわけではありません。
制度上は、会計→税務申告の展開です。
会計と税法の仕組みが一致しているわけではありませんが、
決算で確定したデータで税務申告書を作成します。
法人税・所得税はそれぞれの税目には特有の申告書があり、
作成の展開は異なります。
法人税では「別表」といった特有の申告書があります。
所得税では一つの申告書に10種類の所得区分を反映させます。
いずれの税目の申告書作成でもテクニカルな面があります。
税負担を左右する申告書もあるので重要です。
そうしたテクニカルな申告書の作成があるとはいえ、
事業経営の動向を直接左右するとは言えません。
- 曖昧な状態の売掛金残高
- 滞留している役員貸付金
- 売上管理の不透明性 etc
決算・申告期だけでどうにかできるものでなければ、
腕の見せようがありません。
申告より会計 手の打てる時期を優先!
税理士にとって税務申告書作成は重要な業務です。
事業経営であれば、決算処理と申告書作成が必須です。
だからといって、決算・申告期だけに力を入れるのでは、
経営のサポートととしては不充分です。
決算・申告期には遠い「期中」からのサポート、
会計処理段階からのサポートが重要になります。
申告期限間際の時間の配分に力を入れるよりも(笑)、
平時の会計処理から力を入れることがおすすめです。
手を打てる時期に手を打つことが最優先となります。
蛇足
アイキャッチ画像はおそらくハナミズキです。
2024年(令和6年)は私の住んでいる石川県でも残暑続きですが、
ちょっとずつ秋の気配が感じられるようになってきました。
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