個人所得税でも家族会議

お金でつながる家族関係。


中秋の名月の一歩前

個人所得税でも家族会議  法人所得税にはない控除

所得というよく知られた用語も、学術的には抽象的でイメージのしづらい内容です。

個人所得税(所得税)や法人所得税(法人税)の税額計算での所得は、税金計算上の利益といったところです。
つまり、所得×税率=税額、というわけです。

所得税も法人税も、このシンプルな式では共通しています。

所得税や法人税ともセットになる消費税は、こうした所得とは無関係に計算されます。
(売上で受け取った消費税) - (仕入や支払で支払った消費税) = 納税額

基本的に同じ所得から税額を計算する所得税と法人税ですが、大きく異なる点があります。

控除(こうじょ)です。

個人所得税でも家族会議 控除は家族が関わる

所得税は、所得×税率=税額が基本形ですが、所得税では所得からマイナスされる要素があり、これが控除です。
というわけで、(所得ー控除)×税率=税額、となります。

控除には、納税者本人だけが関わる基礎控除や勤労学生控除(私は未だにお目にかかってませんが)などもありますが、その他の控除は直接または間接的に家族と関わっています。

たとえば、配偶者控除や扶養控除、寡婦寡夫控除・障害者控除は納税者本人と家族との関わりで発生します。

所得税は、個人の所得にかかる税金ですが、社会保険料控除や医療費控除は家族とも関連する控除です。

所得税という税金のテリトリーに、社会保障などが入り込んでいる印象です。

こうした控除は、所得や税率の話とは別に、政府の社会政策で度々変更されています。

2020年(令和2年)もひとり親控除や寡婦寡夫控除、所得金額調整控除が加わったり、変更されたりしています。
(ひとり親とは 税と社会保障の違い)

個人所得税でも家族会議 「例年通り」に注意

よくある所得税でのトラブルに、学生の子供を扶養控除の対象にしていたところ、アルバイトを熱心にしていたため扶養の対象外になってしまったということがあります。

年末調整でも、確定申告でも、「毎年のこと」や「これまで通り」といってやり過ごしがちです。

毎年ある所得税の制度の変更もパッと目には、わかりにくいものです。

とはいえ、制度も家族も毎年変化しています。

年末調整や確定申告では、なんらかの変化は付き物と思って、家族を含めた確認をとることをお勧めします。

 

蛇足
所得税の構造をみると、シンプルなハズですが、現実との落差を感じます(笑)。

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