伝票 いる?、いらない?

古典的な会計ツールですが、あらためて確認してみます。

1伝票とは 出金伝票は必要
2振替伝票と組織管理
3伝票からみる組織

伝票とは 出金伝票は必要

まず基本的な確認ですが、ここでとりあげる伝票は経理や税務会計事務で取り扱うものです。
飲食店などで請求される伝票ではありません。

会計上伝票は、取引の記録を記載しておくという役目があります。

伝票は会計ルールや税法で必須とはされていませんが、実務上はあってしかるべきという取り扱われかたです。
(会計や税法では証憑書類や元帳といった書類は必須とされています)

あって当然視されている伝票ですが、あとでとりあげる振替伝票は考え直す必要もあります。

一方、個人・法人・小規模・大規模に関わらず用意しておきたいのは「出金伝票」です。
(「入金伝票」は現金での取引が多い場合などに用意します)
経費になるか、ならないかは出金の内容だけでなく、出金の記録も必要になるからです。
領収書やレシートがあればよいのですが、入手できなかった場合に記録を残しておく必要があります。
日付(例:2019年11月15日)・取引先(百万石牛乳)・出金内容(食材仕入)・金額(216円)を記録しておきます。
すべての出金記録が出金伝票のメモだけでは説得力が乏しいのですが、必要に応じて用意しておきましょう。
市販の出金伝票も100円ショップにありますし、自分でメモしたものを残してもOKです。

振替伝票と組織管理

会計上の伝票は、実は「振替伝票」さえあれば入出金もすべて表現できます。万能の伝票です。
(さらに万能感あふれる「三枚複写式振替伝票」といったものもありました・・・)

とはいえ、個人事業主・フリーランスの方の場合、出金伝票こそ必要ですが、振替伝票は不要です。
伝票自体が証憑書類ではないので、作成する理由がありません。

一方、大組織など構成メンバーが多い場合には、振替伝票の作成は会計記録の他に別の機能が見出せます。
判断や行動のチェック機能です。
メンバーの会計上の判断や行動を、たとえば経理担当者がチェックするということです。
振替伝票を組織内部のチェックに使い、余分な支出や誤りや不正が生じないように使います。
別の面から見ると、振替伝票というメディアは利用するが、紙で作成する必要はないとも言えます。
大事なのは、振替伝票の作成者とチェックするものが独立していることです。

伝票からみる組織

個人事業主・フリーランスであれば、行動の責任はすべて本人に帰属します。

大組織は活動する構成メンバーが多く、それゆえに失敗・誤解・不正が生じやすくなります。
また失敗なども当事者だけでなく、組織内外におよぶ可能性も大きくなります。
取り返しのつかない事態を防ぐ面でもチェック機能は必要です。
(最近もそんなドラマがありましたね「これは経費でナントカ」)

地味で定番のツールの伝票ですが、奥深いのです。

 

蛇足
いろいろと実感を込めて書きました。

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