負担を織り込んだ相続を想定していますか?
偏りのある財産の相続はありか?
「相続」に関連した問題は多々あります。
財産や相続人、法律と調整の対象が多いだけでなく、
時間の長さも課題に加わります。
ちょっと遠くをみる目線も必要になります。
相続以降 慣れない間に済んでいく
税金の申告に慣れている方は多くありません。
毎年、自分の分の所得税申告をしている方を除くと、
大半の方にとって慣れる機会がありません。
まして相続税の申告となると、生涯で何度あるか…?
さらに被相続人の所得税の「準」確定申告は4か月の期限があり、
相続税は相続開始から10か月と期限があります。
相続税以外の相続関連手続きも短期間に重なるので、
相続に慣れる機会は乏しくなります。
慣れてしまえが対応できることでも、不慣れなことが原因で
充分な検討を逃すこともあります。
相続以降 申告・納税時点だけでとらえない
慣れる可能性の少ない相続ですが、お金が関連してくると、
相続人にとっては利害問題でもあります。
相続財産や相続人、民法・税法を交えた折り合いをつけ、
相続を完了していくことになります。
相続財産と相続税負担は相続税申告完了までに目立つ
検討対象となります。
相続できる財産を大きく、税負担は小さくしていくことが
わかりやすい課題です。
とはいえ、短絡的に数字だけを追いかけることでは不充分です。
相続税での財産は税金計算上の「評価」により算出します。
不動産の評価といった場合には、
- 換金可能性を保証しているわけではなく
- 現預金での相続が確実になるわけでもない、
といった留意が必要です。
また、不動産の相続では、
- 固定資産税の負担
- 不動産の登記
- 不動産の管理
といった相続以降の負担も発生します。
2024年(令和6年)4月より相続登記の義務化が始まりました。
地方での相続では、農地や山林といった利益よりも
経済的な負担をともなう財産がみられます。
相続税の申告・納税だけに焦点を当てた検討だけでは、
充分な検討とは言えない将来もあります。
相続以降 偏りのある財産の相続はありか?
相続は相続する財産と相続人との折り合いが必要です。
分割協議が不成立なままで申告すると、配偶者・宅地の特例で
不利益を被ります。
他方で、申告・納税といった短期での利害だけを対象とすると、
将来に不満や不安の種を残すことになります。
お墓などの祭祀財産は直接はお金に関連しませんが、
相続対象でもあり、負担もともないます。
財産「評価」と相続人間での分割協議の結果だけをみると
偏りのある遺産分割の可能性もあります。
相続税負担の最小化は重要な検討対象ではありますが、
唯一無二の対象ではありません。
相続開始から申告・納税だけを対象とした負担だけではなく、
将来に渡る財産の管理を含んだ検討も必要です。
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