イレギュラー対応での混乱をどう防ぐか?
定額減税の混乱をどう防ぐか?

悲観的に準備して、楽観的に対応するという発想があります。

前向きな発想ですが、準備なしでは悪い予感が現実化します(笑)。

仕事の効率化を再考するきっかけはフワッと出てきます。

混乱を防ぐ イレギュラー対応

税務会計業務はルーティン化や定型化が目立ちます。

とはいえ、変化がないとは言えません。

たとえば、2023年(令和5年)10月からの消費税インボイス制度開始。

消費税の納税額を左右する恒久的な制度の導入でした。

「2割特例」や「古物商特例」といった特例や追加の措置もあり、
事業者には不安と負担が新たに加わりました。

あるいは、2024年6月からの「定額減税」。

所得税3万円と住民税1万円の減税措置です。

納税者としては魅力的な措置ですが、実務対応では話は別です。

2024年6月以降の毎月の源泉徴収や年末調整、確定申告では
イレギュラーな対応が続きます。

インボイス制度とは異なり、定額減税は就業者も扶養対象者も含まれます。

大小の混乱は避けられない予感があります。

混乱を防ぐ ことばの共通化と仕組みの理解

定額減税は「給付」ではなく、給与所得者の場合、

  • 毎月の給与から月ごとに源泉所得税分を対象に、
  • 同一生計配偶者・扶養親族を含めた金額分が調整される

といった込み入った「減税」です。

「配偶者」といっても所得税では、

  • 源泉控除対象配偶者
  • 同一生計配偶者

といった区別があり、定額減税でも確認が必要です。

「扶養親族」といったことばも通常の所得税の仕組みと
定額減税では運用が異なります。
 (税務会計の処理は理解を棚上げが効率的か?)

指し示すことばの内容を知らない、理解していない場合、
通常の業務との違いで混乱が生じやすくなります。

定額減税に対応したことばの整理が必要です。

一方で、それでも完全無欠の処理ができるとは言い切れません。

定額減税を含めた年末調整や確定申告による対応が可能
という理解も混乱を拡大させないために必要です。

混乱を防ぐ 双方向での共通化と理解

税務会計業務ではテクニカルな処理が多々あります。

経営者や経理担当者といえども全ての仕組みに通暁している
といったことは困難です。

そこんとこややこしい処理はよろしく」ということもあります(笑)。

些末でテクニカルな処理や影響の少ない対象であれば、
担当者や税理士で対応をとどめることもあります。

他方、イレギュラーであり、影響の及ぶ範囲が広い場合、
説明の追加が必要になります。

イレギュラーな対応を一方通行なままで進めると、
ちょっとした混乱が足を引っ張るかもしれません。

説明の省略や一方通行での処理が効率的な印象はありますが、
イレギュラーな対応に向いているとは言い切れません。

回りくどい対応が混乱を防ぐ面で効率的なこともあります。

 

蛇足
アイキャッチ画像は散歩中に撮影しました。
初夏の好天が続き、いろいろな花が咲いています。
春先の天候不順でキャベツの価格が高騰中ですが、
もうしばらくすれば値段も落ち着きそうです。

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