収入を所得税でまとめないようにしましょう! 分類はお早めに!
税理士だから経費ばかり気にしているわけではありません(笑)。
収入は所得税? 法人ならシンプル
会社、法人の経理や税務申告の処理は
個人事業の場合より複雑です。
個人の所得税申告であれば「簡易簿記」といった
シンプルな帳簿作成でも青色申告の特典が得られます。
作成する書類も法人の方が圧倒的に多くなり、
個人に比べてカチッとした処理が要求されます。
その一方で、法人には個人所得税でトラブルの原因となる
所得分類という発想はありません。
事業活動のために設立された法人の所得は事業所得
というとらえ方でスッキリしています。
収入は所得税? 所得区分まで踏み込む
個人の所得税では所得区分という発想があります。
(所得と家計 家計は気になったらチェックする)
所得は税金の仕組みでは以下の通りに区分されます。
- 利子所得
- 配当所得
- 不動産所得
- 事業所得
- 給与所得
- 退職所得
- 山林所得
- 譲渡所得
- 一時所得
- 雑所得
所得区分は税金の負担を考慮した仕組みにつながっています。
ことばを補うと、収入があったからといって
所得税がかかるという発想では少々物足りません。
収入がどの所得に区分されるかまで確認する必要があります。
所得区分ごとに税金の負担の計算が異なります。
損益通算といった黒字分の所得と赤字分を相殺するといった処理も
所得区分によってはできないものもあります。
たとえば、暗号資産(仮想通貨)の取引による所得。
暗号資産から得られる所得は雑所得に区分されます。
暗号資産間での損益は相殺できますが、
他の所得区分とは相殺できません。
収入があったからといって所得税を想定するだけでは、
確定申告のときに想定外の負担に直面するかもしれません。
所得区分や内容によっては、確定申告での処理や時間や労力に差があります。
お金の負担だけでなく、時間のロスや心理的な負担も
所得区分によって変わるかもしれません。
給与所得者が確定申告する場合には、
- 源泉徴収票を起点に
- 医療費控除やふるさと納税、住宅ローン控除などの書類
があれば申告に取り組めます。
対照的に、事業所得では税務申告処理以前に、
事業活動の帳簿作成、決算処理が不可欠です。
所得区分を誤解している場合も考えられます。
(支払主から確定申告の資料もらいました!?)
勤務先以外からの収入があったのなら、所得区分の確認がおすすめです。
収入は所得税? 贈与にもご注意
所得税の注目度に比べるとぱっとしませんが、
確定申告は所得税だけに限定されてません。
贈与税も確定申告の対象です。
親族間での贈与でも金額が年間110万円を超えると
確定申告が必要になります。
贈与税の申告と納税は、贈与の翌年の2月1日から3月15日です。
贈与のあった年と確定申告の年が異なるので、
収入の区分をはっきりさせておくことで、
申告や納税の遅れや漏れを防げます。
記憶力をあてに処理を先送りするよりも、
早めの確認や準備が安全です。
蛇足
確定申告の相談会場で初めて所得区分を意識される方は
意外に多い印象です。
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