所得と家計 家計は気になったらチェックする

定番の問題を別の切り口でとらえます。

所得と家計 所得分類は面倒です

重いイメージのテーマです(笑)。
個人所得税を取り扱うと必ず面倒だなーと思う対象が、所得分類です。
所得を利子・配当・不動産・事業・給与・退職金・山林・譲渡・一時・雑所得に分類して、税金を計算するわけです。
(覚え方は、リ・ハイ・フ・ジ・キュウ・タイ・サン・ジョウ・イチ・ザツです。パッとしませんが)

法人は所得が全て事業から発生しているので、所得分類という考え方がありません。
ただし、法人といっても営利目的の法人だけではありません。
宗教法人やNPO法人、医療法人なども法人です。
法人税では、所得分類という考え方はせず、課税or非課税、通常の税率or低税率という措置がとられています。
(営利目的の法人(会社)でも大企業とその他の会社で税率や経費の違いがあります)
とはいえ、法人税には個人所得税のような分類が無くシンプルです。

個人所得税の所得分類の背景には、担税力という考え方あります。
(所得税 個人・法人・その間)
所得を分類することで、所得分類に応じた税負担を求めるというわけです。
たとえば、給与所得より退職所得の方が税負担割合が小さいのも、退職後の生活資金という退職所得の性格からの取り扱いです。

所得と家計 水準が同じでも実態はバラバラ

所得分類ごとに担税力の違いがあり、税負担が異なる。
簡潔ですが、突っ込みどころがあります。

同じ所得分類でも、負担能力は同じなのかということです。
違うという結論は、法人税での大企業とその他の会社での取り扱いの違いからもわかります。

給与所得を対象にしても、いわゆる高給取りとされている方と非正規雇用・低賃金の方では担税力が異なります。
(現行は超過累進税率で負担は調整されていますが)

さらに突っ込むと、同じ所得分類で同じ「水準」とされていても生活の実態は人それぞれ異なります。

所得と家計 隣の芝生は青く見えるか

所得が同じ水準でも、生活の実態(水準)が異なるのは当然です。
独身or既婚、核家族or大家族、賃貸住まいor持家(ローン有or無)などの生活スタイルの違いがあります。

さらに人それぞれの金銭感覚の違いは、資産の違いにつながっていきます。
食事・交際・旅行・ブランド品などの消費にお金をまわす方と、預貯金・保険・不動産(家・土地)の資産にまわす方の違いです。

そうした生活実態の違いは、いまさら指摘するほどの内容ではありません。

問題は、そうした生活実態の違いを当事者(含む私)が数字(金額)で把握しているかどうかです。

自分のお金は自分の判断で使っているハズです。
とは言いつつも「隣の芝生は青く見える」のは、数字の把握を曖昧にしているからかもしれません。

法人には厳格な決算申告があります。
個人は確定申告をする方以外は、お金の把握がついどんぶり勘定になりがちです。

年末から確定申告期に大手メディアで家計簿がとりあげられますが、季節性のテーマではありません(笑)。
気になったら取り組んでみるのもお勧めです。

 

蛇足
書店でも家計簿を見かけるのは年末の印象です。
「夏物」があってもよさそうです。

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