所得税の申告で後戻りしない対策とは?
雑損控除の適用にも源泉徴収票が必要な理由とは?
用意万端、あとは実行するのみ!のはずが…
といったときには慌てます。
同じ所得への課税でも法人税ではないトラブルが
所得税ではよくあります。
誤解や知識の漏れを早めに確認がおすすめです。
申告で後戻り 笑みが消える!?
確定申告期でもない時期に税務相談を希望される方は
能動的に準備されている場合が目立ちます。
情報の収集や資料の準備を万端にしつつ、
税務相談で確認するといったところです。
相談の前に準備をされている場合、メリハリのあるやりとりで
テンポよく話が進みます。
とはいえ、順調なケースばかりとは言えません。
たとえば、土地を売却した会社員のご相談。
土地の売却による「譲渡」所得での所得税申告の必要性は
しっかり認識されていました。
一方で、確定申告では「源泉徴収票」もご準備ください
と伝えると、ガラッと顔色が変わりました。
給与所得と譲渡所得の税金の計算は別々にされますが、
「所得」としては申告書に記載が必要です。
申告で後戻り 間違いではないが…
2024年(令和6年)1月1日、令和6年能登半島地震が発生しました。
9月には大雨による災害も続きました。
どちらも自然災害であり、所得税では「雑損控除」と関連します。
家屋などの被害や災害関連の支出を申告に反映させることで、
税負担の軽減が可能になります。
(雑損控除を図解からイメージする!)
所得控除は雑損控除に限らず、裏付けとなる資料や証明書が必要です。
雑損控除を適用する場合、以下の資料が必要です。
- 被害を受けた資産の取得価格や取得年月日がわかる書類
- 売買(工事請負)契約書、登記簿謄本(登記事項証明書)、固定資産税課税証明書など
- 災害関連支出の請求書・領収書
- 被災資産の修復・撤去・解体費用等
- 罹災(被災)証明書の写し
- 保険金(補助金)等の補填金額がわかる書類(保険金等が支給された場合のみ)
見逃せないのは、
- 雑損控除の適用は所得税の確定申告の手続きの一部!
- 雑損控除以外の収入や所得、所得控除の手続きとセット!
という大前提です。
所得税の申告に必要な書類が当然必要となります。
- 収入金額がわかる書類
- 給与所得や公的年金等の源泉徴収票など
- 雑損控除以外の所得控除の金額が分かる書類
- 生命保険や地震保険の控除証明書など
- マイナンバーカード
- マイナンバーカードのない方は、通知カード及び本人確認書類
- 申告者本人の金融機関の口座番号がわかる書類
- 所得税の還付申告に利用するため
- e-Tax利用者識別番号ID・パスワードがわかる書類(お持ちの方のみ)
- 昨年の確定申告書の控え(お持ちの方のみ)
申告で後戻り つながりを確認して準備
所得税は所得に対する申告税という点では法人税と共通です。
他方で、所得税には所得区分や所得控除といった仕組みがあり、
申告の際にはすべて反映させる必要があります。
誤解や知識の漏れがあると、せっかくの準備を後戻りする
残念なことになります。
所得税の仕組みや申告一連のつながりがみえていると
残念な後戻りが防げます。
申告の書類の準備をしつつ、申告全体の処理の確認がおすすめです。
蛇足
アイキャッチ画像は散歩中にみかけたモッコクです。
漢字では「木斛」と表記するようです。
何気なく見かけていましたが、メジャーな庭木だそうです。
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