確定申告会場の利用と相性とは?
会場の間口の広さをご確認!
とりあえず申告会場に行けばなんとかなる、は誤解です。
会場でイライラしないための予備知識。
申告会場 予習という裏舞台
毎年のことですが、2月16日から確定申告の受付が
全国一斉に始まります。
同時に、これまた全国一斉に「申告会場」が設置されます。
コロナ禍の影響もあり、予約制になったとはいえ、
来場者は依然として減っていない印象です。
申告会場は市役所などに設けられます。
税理士も税理士会支部を通じて、支援に参加します。
私も2023年(令和5年)は役場で2日、商工会へ4日の参加予定です。
参加のための事前準備として、
- 令和4年度所得税の留意点の確認
- 電子申告の代理送信の事前設定
- 想定事例の確定申告等作成コーナーへの入力
といった裏舞台が1月より始まっています。
通常の業務とは異なる電子申告の手続きのため、
要確認となります。
申告会場 申告手続きの裏舞台
コロナ禍の少ない成果の一つが申告会場の予約制導入です。
どの申告会場でも「1人30分」が目安のようです。
来場される方にとっては短時間かもしれません。
参加している税理士にとっても同様です(笑)。
30分という時間はタイトに感じられます。
申告会場が予約制を導入しているといっても、
税理士側に来場者の事前情報はありません。
税理士にとっては、出たとこ勝負での応対になります。
専門家なんだから、なんとかできるでしょ?
という期待がありそうです。
申告会場での「1人30分」という持ち時間は、
- 来場者の確認(1分)
- 希望する確定申告の内容(2分)
- 資料の確認(5分)
- 電子申告のための入力処理(10分)
- 来場者への電子申告前の確認(3分)
- 電子申告での送信(2分)
- 事後報告対応の処理(5分)
といった流れで進んでいきます。
上記の想定であれば、28分で完了!
一息ついて、次の方どうぞっ!、となります。
絵に描いた餅のような展開です(笑)。
税理士がパソコンへの入力でヘマをしたり、
電子申告をトチると破綻します。
それでなくとも、上記の理想的な展開には、
- 申告会場で行う手続きの相性
- 事前の準備
といった来場者の協力が欠かせません。
年金生活をされている方の医療費控除での還付申告は
申告会場での受け付ける典型例です。
とはいえ、医療費の集計などの準備が欠けてると、
申告手続きは頓挫します。
「頓挫します」とやんわり表現しましたが、
私は上記の場合、来場者にお引き取りいただいています。
申告会場 表舞台と間口の広さ
確定申告を申告会場で済ませるという選択はあります。
その一方で、申告会場の間口は来るもの拒まず
というほどの広さはありません。
申告会場の予約をしている自治体の窓口では、
申告会場で対応できない対象をあげています。
下記は対応不可の一例です。
(具体的な対応は予約する自治体窓口でご確認ください)
- 住宅ローン控除など住宅に関する特別控除をうける方
- 土地や建物を売った方
- 株の売買や先物取引・暗号資産の申告をする方
- 事業所得のある方
- 災害などで雑損控除を受ける方
- 国外居住親族に係る扶養控除を受ける方
- 亡くなった人の確定申告をする方(準確定申告)
- 山林所得がある方
- 前年以前の確定申告をされる方
上記の申告会場での対応不可の事例では、
- 判断に時間を要する
- 扱う金額が巨額となる
- 処理の対応に時間を要する
- 通常の確定申告と手続きが異なる
といった問題とぶつかります。
申告会場は誰でも利用できそうな印象ですが、
間口の広さの確認と事前準備は不可欠となります。
蛇足
確定申告の申告会場の利用は「無料」です。
一方で、「相談」に対応する余裕はありません。
申告会場は「手続き」の場という現実があります。
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