残高試算表を確認してホッとできるか?
処理の区切りは残高の確認!
入力、決算処理、申告書の完成と会計処理の区切りでは
「残高」の確認が必須です。
損益計算だけを会計処理のゴールとしてとらえると、
かえって区切りもゴールもわかりにくくなります。
ホッと息をつける理解がおすすめとなります。
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春が感じられます
息をつける残高 段階ごとに確認
会計処理の進め方は経営者次第です。
日々記帳→月次決算→年次決算がおすすめの会計処理ですが、
年一で税理士に丸投げの選択もあります。
一見すると正反対の会計処理の印象ではありますが、
処理の確認段階では共通点があります。
どういったアプローチであっても、複式簿記の処理では、
段階ごとに「残高」を確認します。
売上や経費の計上による損益計算も確認しますが、
処理の区切りとしては残高確認が優先です。
息をつける残高 あるべき数字があるか?
会計ソフトで入力が一段落すると、「残高試算表」を確認します。
残高試算表の構成は、
- 勘定科目
- 期首残高・借方・貸方・期末残高
といったデータが並びます。
たとえば、預金勘定。
期中の増加は借方に減少は貸方に計上・集計されながらも
期首の残高とつながることで期末残高が算出されます。
預金勘定の期末残高が銀行口座の実際の残高に一致しているか
といった確認をとることになります。
売掛金勘定であれば、期末残高は売上の未回収額となり、
棚卸勘定であれば期末在庫が計上されているはずです。
あるべき金額が計上されているはず!という前提があるので、
残高の確認は処理の区切りになります。
息をつける残高 ブラッシュアップが続く!
会計処理を売上や経費の集計、損益計算のみが関心事である
ととらえると処理の区切りがぼやけます。
売上関連の処理といっても複数あります。
- 現金売上 (借方)現金 (貸方)売上
- 掛売上 (借方)売掛金 (貸方)売上
- 前受入金 (借方)お金 (貸方)前受金
入金額だけでも請求額だけの集計でも、適切な計上額は把握しづらい
といった問題を抱えます。
複式簿記の利点は損益・残高を同時に処理できる点にあります。
あるべき残高を確認することで、損益の確認にもつながります。
棚卸と仕入、売上原価の関係が典型的な例です。
会計ソフトを利用すれば残高試算表は自動的に作成されますが、
利用できるかどうかは別問題です。
あるべき残高の把握と確認の後には、
- 残高のズレ
- 未計上の残高の確認と追加処理
と会計処理のブラッシュアップの過程があります。
入力や計上が会計処理のゴールではありません。
決算・申告が適切に行える勘定残高の確認と処理が必要です。
ホッと息をつくことは一度だけではありません。
蛇足
アイキャッチ画像はミズキの蕾のようです。
地面に雪がありますが、少しずつ春らしさが感じられます。
ホッとする光景ですが、まだまだ冬が続く季節なので
気が抜けませんね。
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