青色申告特別控除10万円との意外なお別れ!? インボイス制度と業務フロー
確実な成功を意味する「鉄板」や「○○しか勝たん」も
環境の変化で左右されそうです。
10万円控除 割り切って最強!?
個人事業主にとって事業所得での青色申告の選択は「鉄板」、
成果を疑う必要もない選択です。
青色申告には白色申告にない特典があります。
- 少額減価償却資産の特例
- 青色専従者給与
- 損失の繰越と繰戻し
上記の特典に加えて「青色申告特別控除」が魅力です。
青色申告の届けを出して、帳簿を備えておくだけで課税上の所得から
控除が受けられます。
貸借対照表の作成と電子申告の実行で65万円の控除となります。
お金の支出がないということで、節税効果がはっきりしています。
とはいえ、貸借対照表の作成には複式簿記、会計ソフトの利用が
欠かせない実態があります。
売上や経費の集計による簡易簿記での10万円控除は、
- 控除額は少なくなるものの
- 自力での帳簿作成が可能であり
- その他の青色申告の特典も受けられる
という観点で割り切ってしまうと魅力があります。
10万円控除 基準を変えるインボイス制度!?
コスパ最強の経理・申告スタイルともいえる10万円控除ですが、
経営の状況によっては限界もあります。
とくに貸借対照表の作成や複式簿記での記帳が優位な状況、
- 銀行からの借入
- 雇用の拡大
- 消費税
といったケースでは経理のスタイルの見直しがおすすめです。
上記のような経理スタイルは通常、事業の拡大や変化による
内部的な理由から変更されます。
たとえば、消費税。
売上高が1,000万円を超えて消費税の課税事業者になる段階で
経理の仕組みの見直しを検討するわけです。
消費税の計算方法は、
- 原則課税
- 簡易課税
とありますが、経理や所得計算と連動させる方が効率的です。
簡易簿記ではなく複式簿記、会計ソフトの利用が有効になります。
経理の仕組みと消費税はこれまでであれば売上高を目印に
検討する対象でした。
2023年(令和5年)10月から始まる消費税の「インボイス制度」は
これまでの判断の基準変えるかもしれません。
10万円控除 業務フローを変える!?
インボイス制度はざっくりまとめると、
- 売上などで受け取った消費税から
- 登録している事業者分の消費税のみを差し引いて
- 消費税を納税する
という制度となります。
これまで免税事業者だった場合でも、売上金額と関係なく
課税事業者を選択するケースもありえます。
2022年(令和4年)2月の現状では、具体的なインボイス制度下での
処理や業務はみられません。
とはいえ、外国でのインボイス制度を参考にするなかでは、
- デジタルインボイス
といった仕組みも有識者よりとりあげられています。
紙の請求書(インボイス)をPDFなどの電子化したというよりも
デジタルでのインボイスの作成ややりとりを想定しています。
言い換えると、消費税の仕組みの変更だけでなく、
- 業務フロー
- 商習慣
に踏み込んだ変更も視野に入っています。
青色申告特別控除の10万円控除は直接には所得税に関連しますが、
- 経理の仕組み
- 業務フロー
- 取引環境の変化
といった消費税のインボイス制度との関連で再検討の余地もありそうです。
再検討には、所得税や消費税だけでなく経理業務の効率化
といった視点も加えることもおすすめです。
蛇足
インボイス制度は経理の仕組みの効率化という点でも
今後も話題になりそうです。
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