仕事でAIは役に立つのか?
Simple ML for Sheetsで入力ミスを検出!
どんな技術やサービスでも時間を経ると、
- 「得体が知れない」→「面白そう」→「役に立つ!?」
と受け止め方は変化します。
AIの実用使いは仕事上でも見逃せないテーマです。
GoogleのML 面白いの後
すっかり聞かれなくなったことばに「ドッグイヤー」があります。
IT業界の技術進化の早さを犬の成長の早さと人を対比した例えです。
(犬:1年=人:7年、だそうです)
IT業界の成長が鈍化したわけではありません。
むしろ、ドッグイヤーが常態化しています。
たとえば、AI。
技術的な知識や理解が不足していても使えます。
2022年(令和4年)では「Midjourney」や「ChatGPT」が話題になりました。
手軽に使える上に面白い成果も確認できます。
今後の課題は、
- 仕事でも使い物になるのか?
という観点からの評価になりそうです。
GoogleのML Simple ML for Sheets
税務会計業界ではクラウド会計やAIでの効率化が進んでいます。
「安楽椅子」税理士への道も期待したいところです(笑)。
その一方で、ベタな入力業務もゼロではありません。
入力業務のマイナス面は以下の通りです。
- 時間対効果に限界がある
- 入力ミスがつきもの
AIによるミスの発見は現実的な課題となります。
「Simple ML for Sheets」はGoogleスプレッドシートで利用できる
機械学習のアドオンです。
「機械学習(Machine Learning)」は、
- データから判断基準や規則性を学習して
- 未知の対象を予測・判断する技術
というAIの仕組みです。
Simple MLはGoogleアカウントがあれば利用できます。
Googleスプレッドシートの「拡張機能」→「アドオン」より
Simple MLをインストールします。
GoogleのML Simple MLで実験
Simple MLを使ってちょっとした実験をしてみました。
お題は入力ミスの摘発です。
会計の入力では消費税の課税区分の入力も必要です。
入力箇所=ミス発生ポイントです。
下記のように「非課税」と区分されるはずの租税公課を前提に
スプレッドシートを用意しました。
1か所だけわざと「課税」と区分して、Simple MLで判定させてみました。
操作手順は以下の通りです。
- 判定させたい列を選択(上記ではB列)
- 「拡張機能」→「Simple ML」
- 「What do you want to do?」より「Spot abnormal values」を選択
結果はあっさりと判明。
異常な区分(上記では「課税」)の摘発だけでなく、
正常な区分(「非課税」)の指摘まで出力されました。
次に数値の入力ミスが発見できるかも試してみました。
220円や330円といった金額の中に、わざと桁のズレた金額をいれておきました。
結果は以下の通りです。
とりあえず異常な値の検出はできていました。
留意点は、上記の例では参照するデータが100以上必要という点です。
データが少ない場合には、あらかじめ正常とされるデータを補っておく
といった仕込みが必要でした。
Simple MLの利用はデータがあれば、
- マウス操作だけで利用できる
という点で利用が容易な印象でした。
GoogleのML 現状への追加と拡張
とりあえずSimple MLが利用できることがわかりました。
本格的なSimple MLの運用には工夫の余地があります。
Simple MLの利用では、
- AI(ML)は既存の機能への追加・拡張
としても機能することが実感できました。
言い換えると、
- 現状の処理にAIが組み込まれる
という可能性が現実的となります。
「with」AIは強く意識する間もなく実現するかもしれません。
蛇足
上記の内容はAIを使う必要がないんじゃない?
というツッコミもあります。
AIの利用が当たり前になると、そうした疑問すら
聞かれなくなるかもしれません。
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