基礎を学んでAIを活用する!
日商簿記3級に魅力がある理由とは?
AIの「凄さ」は誰にでもわかるとは言えません。
「凄い」と言えるまでの仕込みが必要です。
基礎とAI 勉強してますか?
毎年のことですが、確定申告期が終了すると税理士会より
- 税務支援のアンケート
- 「36時間」研修の督促
といったメールが届きます。
アンケートでは申告会場や商工会などでの税務支援で
何らかのトラブルがあったかなどの問い合わせです。
「36時間」研修の督促は、
- 毎年4月から3月の1年間で
- 税理士が達成すべき研修時間
達成を促す内容です。
「研修」といっても、
- ウェブ研修が中心
- 報告・レポート・試験は無し
と達成が困難という仕組みではありません。
幸か不幸か、私は学ぶことが多いので達成済みです(笑)。
私のことは棚に上げても、
- 毎年の税制改正
- 経済動向や納税者の変化
- 関与する業務の広がりや変化
といった面からも学び続ける必要があります。
2022年(令和4年)末よりAIの進歩が目立っていますが、
- だからこそ、基礎学習はもっと大事になる!
という印象が強まっています。
基礎とAI 答え合わせができますか?
ChatGPTなどAIの魅力的な利用は日々更新されています。
その一方で、扱いに困る面もはっきりしています。
たとえば、会計処理。
決算時点で仕入の決済が完了していない場合でも、
発生主義であれば仕入と債務の計上が必要です。
ChatGPTに問い合わせてみます。
現金主義ではなく、発生主義での処理を行うことや、
仕入債務といったとらえ方に違和感はありません。
その一方で、「仕入債務の勘定に100万円の借方」や「未払費用」
と不安が残る回答でした。
複式簿記での表現形式を期待した質問を続けます。
「借方」と「貸方」に分けて勘定科目を回答して、
勘定科目の説明を補っています。
簿記の知識が無い場合であれば、「それっぽい」回答
と受け取れるかもしれません。
甘くみれば、上記の回答は的外れではないものの、
- 「仕入債務」勘定って何?
- 「仕入債務」は「借方」に計上しながら「負債」?
- 「未払費用」は「経過勘定」!
とツッコミどころがあります。
私が想定していた仕訳は以下の通りです。
- (借方・費用)仕入 /(貸方・負債)買掛金
- 借方に費用として仕入
- 貸方に負債(債務)として買掛金
とりたてて難解な処理ではありません。
また、ChatGPTの回答がパッとしないといっても、
損益計算の結果は変わりません。
とはいえ、AIを利用する側の「答え合わせ」
といった検証は欠かせないはずです。
基礎とAI 3級が魅力な理由
会計処理に専門知識が必要といっても全てが難解
ということはありません。
むしろ、定型的な処理と裏付けとなる考え方がわかれば、
闇雲な調査や検索は不要です。
上記の簿記の処理では、
- 「日商簿記3級」の水準でAIと対話できたはず!
ということができます。
試験に合格していることが必須というわけではありません。
AIを利用して課題を解決しようとする場合、
- 的確な利用は利用者の水準で左右される
ということで差が大きくなりそうです。
AIの成果を引き出せるだけの「リテラシー」には
学習の裏付けが今後も必要なはずです。
蛇足
AIとは関係ない会計ソフトでも数字を入力すれば
貸借対照表や損益計算書は完成します。
現預金が堂々とマイナス残高でも出力されます。
「リテラシー」と違和感はセットです。
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