家族の呼び方は法律ごとに確認しておく!
定額減税で申告書の提出が必要な理由

日本語は一人称が多いという指摘があります。

私・俺・僕・おいら・小生etc

「家族」は日常生活で当事者間ではわかっていますが、
法律・制度が関連すると動揺を感じることもあります。

判断の視点の確認が必要となります。

家族の呼び方 トッ・カッ、て誰?

人の名前を呼ぶ際には気を遣います。

「〇〇さん」で済む敬称でも、同業の税理士であれば「先生」が
無難な選択だったりします。

家族を呼ぶときも「名(下の名前)」で呼ぶことは限られます。

祖父母や親といった年長者から子・孫を呼ぶときくらいです。

多少ヤンチャな子でも親を名前で呼ぶことは多くありません。

  • お父さん、親父、おとん、ダディ etc
  • お母さん、母、おふくろ、ママ etc

家族のことを「トッ・カッ」と呼んでいる方がいました。

風変わりなお名前かと思って確認したところ、

  • お父(オトウ)→トウ→トッ
  • お母(オカア)→カア→カッ

とご両親のことと判明したことがあります(笑)。

家族の範囲は日常生活では当事者がわかっていれば済みますが、
法律や制度が絡むと確認が必要となります。

家族の呼び方 法律や仕組みごとに確認する

所得税は「個人」の1年間の所得に対する税金です。

所得の種類や金額にかかわらず、申告書の提出は特定の「個人」です。

一方で、政策的な配慮から所得控除では家族も関連します。

たとえば、配偶者控除や扶養控除。

納税者本人の所得だけでなく、配偶者や親族の状況も折り込んで、
税負担が決定される仕組みです。

給与所得者であれば毎月の給与から天引き(源泉徴収)があり、

  • 配偶者が「源泉控除対象配偶者」に該当するか?
  • 配偶者以外の扶養親族がいるか?
  • 本人や家族が「ひとり親」・「寡婦」・「障害者」等に該当するか?

といった確認事項があります。

相方・つれあい・パートナーと呼べる方がいる場合でも、
「内縁」であれば配偶者には含まれません。

「扶養親族」であっても、

  • 通常の給与計算では16歳以上が「控除対象扶養親族」
  • 「定額減税」では16歳未満も月次減税額計算の対象

と確認しておく必要があります。

家族の呼び方 不利益は自衛が優先

2024年(令和6年)6月から始まる「定額減税」はイレギュラーな制度です。

1人につき所得税3万円・住民税1万円の減税措置がとられます。

毎月の給与計算での源泉徴収分より減税分を差し引いて減税します。

年間の所得と税負担を合計すれば、減税措置を確認できます。

月次減税に加えて、年末調整や確定申告によるリカバリーも
可能となっています。

とはいえ、訂正や事後的な措置は少なくすることがおすすめです。

源泉徴収に係る定額減税のための申告書」の提出は自衛策の一環となります。

日常生活とは異なることばで家族を確認することで、
法律や制度上での有利な選択につながります。

 

蛇足
「源泉徴収に係る定額減税のための申告書」には「居住者に該当」
といったチェック欄があります。

定額減税対象外の「非・居住者」にチェックではない構成です。
記載内容が減らなかったものか?(´ω`)トホホ…

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