確定申告の年内着手がおすすめな理由とは?
経験則が誤解とトラブル源になる!
毎年どこかで見かけるようなタイトルかもしれません(笑)。
それでも、理由が即答できない方はご一読がおすすめです。
年内着手 定番の呼びかけの理由
冬が近づいてくると定番の呼びかけがあります。
- 外から帰ったら手洗い
- 暖房器具の火の用心
- 早めのスタッドレスタイヤへの交換
- 年内に確定申告のご準備をッ!
毎年恒例の呼びかけなので気に留めないかもしれません。
とはいえ、上記の呼びかけが毎年恒例となるのは、
- 対応の不足や後手に回ることでトラブルが発生する
といった被害があるからです。
- 手洗い → 風邪・感染症対策
- 火の用心 → 火災予防
- タイヤ交換 → 交通事故対策
- 年内に確定申告のご準備をッ! → 本題に入ります(笑)
年内着手 ボリュームとタイミングの見積もり誤り
確定申告のご準備でも、今回強調する所得は「事業所得」です。
本来であれば経営活動として経理処理が並行しているハズです。
ハズです(笑)。
現実には、「今年」の経理処理を含めた申告期限を「来年3月15日」
と先送りの方も少なくありません。
性格に起因するというよりも誤解が先送りにつながっている
といったケースが目立ちます。
まず、処理のボリュームの見積もり誤り。
事業所得の処理は、決算書と申告書の作成となります。
「決算書と申告書」と平板に読み流すと誤解につながります。
処理のボリュームは、
- 決算書作成>>>…>申告書
と極端に偏っています。
「決算書作成」といっても、
- 1年間の事業分の帳簿作成
- 年末時点での決算整理
といきなり決算書が作成できるわけでもありません。
また、処理のタイミングの誤りも申告を先送りさせてしまいます。
決算書の作成では、決算日(個人では年末)時点での、
- 売掛金
- 買掛金
- 未払金
- 棚卸資産(商品・製品・仕掛品・積送品等)
- 上記以外の資産・負債
といった勘定残高を確定していく必要があります。
処理を先送りしてしまうと、「翌年」との取引との選別まで必要です。
売掛金や買掛金の残高はそれぞれ売上と仕入金額と連動します。
「期ズレ」といったトラブルも生じやすくなる上に申告誤りにもなります。
処理を先送りすることで精度が低くなり、確認にも時間を要します。
年内着手 インボイスより消費税対応
2023年(令和5年)10月より消費税インボイス制度が始まりました。
インボイス対応も定着までに注意が必要ですが、
それ以上に消費税の申告対応にも留意が必要です。
消費税の税負担対策として「2割特例」・「簡易課税」制度があります。
有効な選択肢ではありますが、
- 「2割特例」は時限的な措置
- 「2割特例」・「簡易課税」が「本則課税」より絶対有利とはいえない
- 納税者による選択手続きが必要
と選択の検討や手続きの必要性が潜在的にあります。
後手に回ることで不利な選択をせざるを得ないこともあります。
経験則による判断は制度の変更でかえってマイナスに働きます。
制度の変更をきっかけに確定申告の準備を見直してみると
時間や労力・資金繰りでプラスが見いだせるかもしれません。
定番の呼びかけですが、
- 年内に確定申告のご準備をッ!
大切なので3回強調しました(笑)。
蛇足
アイキャッチが画像は「さわし柿」です。
渋柿から作られたとは思えない甘味があります。
やわらかい上に種が無いので飲めます(笑)。
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