金融機関の静かなリストラを見逃さない 店舗内店舗(ブランチ・イン・ブランチ)

支店の変化でアハ体験はスルーですね。


静かに飛び込み?

静かなリストラ パニック無きリストラ

2020年(令和2年)からのコロナ禍は経済上の大惨事です。

飲食業・観光業・宿泊業・イベント業などは活動停止ともいえる
状況さえみられます。

その一方で、2000年前後の金融機関の破綻や2008年リーマンショックの
ときのような騒動はみられません。

政府の金融支援や補助金などの政策が効いているためでしょう。

とはいえ、そうした状況でも金融機関のリストラは静かに進行中です。

リストラで連想される人員削減や、かつての貸し渋りや貸しはがしではなく、
支店の統廃合や移転による中長期のリストラです。

静かなリストラ 支店の店舗内店舗での移転

低金利政策や経済の低成長で金融機関の本業での利益は厳しい
状況が続いています。

支店のリストラによる経営力の強化が図られています。

たとえば、私の住んでいる石川県加賀地方でもそうした例が
みられます。

加賀地方に拠点を置いている地方の金融機関は以下です。
・北國銀行
・金沢信用金庫
・はくさん信用金庫

上記の内、北國銀行と金沢信用金庫で店舗内店舗での支店の
集約が進んでいます。

店舗内店舗では、支店名や支店コードを維持したまま別の支店に
移転します。
金融機関の利用者が特段の手続きをとる必要が無いので、
トラブルを回避しやすいといえます。

たとえば、北國銀行では近年、上記の店舗内店舗での移転が進んでいます。
(下図は一例、詳細は同行のサイトを参照)

金沢信用金庫でも店舗内店舗での移転が今後進むようです。
(下記支店以外でも移転があります。詳細は同行のサイトを参照してください)

はくさん信用金庫の動向は未確認です。
(2020年9月に合併したため、支店のリストラは今後の課題かもしれません)

2021年7月22日(木)追記
はくさん信用金庫でも店舗内店舗での移転が発表されました。
・新神田支店→米丸支店内へ(いずれも金沢市)
・大川町支店→小松中央支店内へ(いずれも小松市)

静かなリストラ オンライン化の機会ととらえる

店舗内店舗での移転が粛々と進んでいる背景は、
金融機関の経営状況だけではありません。

顧客側のインターネットバンキングの利用が進んでいる
という背景もあります。

言い換えると、インターネットバンキングを利用して、
実店舗に行く必要が無いのであれば、金融機関の支店が
移転しても問題ないといえます。

見方を変えれば、実店舗頼りの処理を変更しない場合、
店舗内店舗での移転が利用者には不利益になります。

店舗内店舗での移転は一見すると静かなリストラです。

しかし、支店の移転は確実に金融機関での処理の選択に影響します。

支店の移転を目の当たりにして戸惑う前に、インターネットバンキングの
利用などのオンライン化・リモートワーク化がおすすめです。

金融機関の処理だけでなく、経理処理も関連させれば
一石二鳥の効率化につながります

 

蛇足
金沢市内では、かつて金融機関の支店だった跡に会計事務所が
移転してるケースが数件みられます。
今後もそうした金融機関の支店だった建物の利用がみられる
かもしれません。

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