税金の不安と向き合う作法とは?
税額だけを問い合わせない理由とは?
「作法」や「マナー」を上辺だけでとらえても定着しません。
理由付けもセットにしておくと、不安の暴走や膨張が収まります。
税金の不安 不安は暴走・膨張する!
税理士業をしていると定番の業務として「税務相談」があります。
税金の不安を抱えているお客様からお話を伺って、
不安を解消していくことになります。
たとえば、2023年(令和5年)10月1日から始まる消費税インボイス制度。
制度開始を前にして、不安を抱える事業者からの相談にも応じています。
相談テーマが限定・特定されている場合、私も「予習」ができます(笑)。
一方、顧問契約や単発のご相談の場合、不安が暴走・膨張していることもあります。
特定の個人の性格に起因するとは言えない事情があります。
たとえば、オーナー経営者であれば、
- 「個人」と「法人」が密接であり、
- 事業の継続と相続は関連する
といった具合に個々の問題は相互に関連します。
事業の問題を扱いつつも、相続の不安が表に出てくることは珍しくありません。
税金の不安 税額だけを問い合わせない!?
不安を感じる税金は、
- 所得税
- 法人税
- 消費税
- 相続・贈与税
と申告・納税制度の税目が中心です。
申告・納税制度の税目は税理士が関わっている場合でも、
- 納税者の判断による税額を申告して納税する
という共通点があります。
自ら申告・納税する税目は選択の余地がある場合も多く、
機械的に税額が決定されるとは言えません。
算出される税額が不安の原因になることは不自然ではありません。
「税額はいくらですか?」といった問い合わせが真っ先にくる
といったことも不安の現れです。
とはいえ、税額だけを問い合わせることはおすすめできません。
不安を「痛み」に喩えると、
- 「税額」だけを知ろうとするのは「鎮痛剤」の利用と同じ
といった一時しのぎでしかないからです。
「痛み」を解消する「治療」としては下記が最優先です。
- 税額の算出の仕組みを理解する
枝葉末節や例外をバッサリ切り捨てて、ザックリ理解することで
不安の暴走や膨張を収めることができます。
たとえば、所得税。
- 「収入」-経費=「所得」
- (所得-所得控除)✕税率=税額
- 税率は「超過累進税率」
あるいは相続税。
- 相続純財産の評価額>基礎控除(3,000万円+相続人✕600万円) → 課税
- 税率は「超過累進税率」
- 配偶者の控除・小規模宅地の特例による軽減措置
面倒くさいと思われるかもしれませんし(笑)、
税額の算出の仕組みを理解しても不安は解消しませんが、
それでも仕組みを理解することが必要です。
税金の不安 見える化していますか?
ザックリでも税額の算出の仕組みを理解すると、
- 個別の状況を反映した「当てはめ」による検討
と状況が変化します。
「当てはめ」といった検討やシミュレーションで不安が解消
とは限りませんが、問題が「見える化」できます。
税額だけの問い合わせは算出過程での検討がすっぽ抜けます。
問題がいつまでたっても見えないので、不安が暴走・膨張していきます。
税金の不安は税額を問い合わせても解消しません。
仕組みを理解して、不安を見える化する過程が必要です。
税理士への税務相談の建設的な利用とも重なるのでおすすめできます。
蛇足
不安につながっている問題を切り分けると課題が山積
ということもあります(笑)。
一挙に解決!はなかなかありませんね。
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