年末調整で提出する書類やデータの行き先は?
給与計算と所得税申告がみえているか?
猛暑の夏から秋になり涼しくなるかと思っていたら、
急に寒くなったりします。
理不尽な季節が迫りつつあります(笑)。
毎年秋から冬に定番の「年末調整」でも同じように
理不尽さを感じるかもしれません。
年末調整が真っ当な手続きである理由はアプローチを変えると
みえやすくなります。
年末調整の先 やらされ感がある?
転職や税理士業での関わりでいろいろな職場をみてきましたが、
「年末調整」に前のめり気味の職場はない印象です。
「還付」の金額を確認したときはともかくとして(笑)、
従業員・スタッフから好すかれているとはいえません。
年末調整には、一方的で理不尽な手続きの印象があります。
当たらずとも遠からずの一面もありますが、誤解もあります。
視点を変えてみると、理不尽といった印象は変わるはずです。
年末調整の先 給与計算と申告書作成
「年末調整」を一歩引いてみると、
- 給与所得を対象とした
- 所得税の申告に該当する
- 年末での精算の処理
ということができます。
「給与」の計算と「所得税」の申告が関連しています。
給与の計算では所得税の「源泉徴収」、天引きがされています。
源泉徴収税額は給与収入と扶養親族の数により機械的に決まります。
(給与の源泉徴収税額はどうやって決めるのか?)
適切な給与計算には、あらかじめ扶養親族のデータが必要ともいえます。
年末調整の際に翌年度分の「扶養控除等申告書」が必要となるわけです。
源泉徴収税額は機械的な所得税額なので最終的に精算します。
所得税の計算の仕組みは、
- (所得-所得控除)✕税率=所得税
といった式で表現できます。
「所得」は給与収入から、税率は計算の過程で決まりますが、
「所得控除」は当事者からのデータの提示が必要です。
基礎控除や配偶者控除、保険料控除を申告しなければ、
精算の処理は行えません。
所得税の確定申告書をみれば明らかです。
年末調整の先 効率化が必要な理由
所得税の確定申告が年末調整と比較して格段に難しい処理
とは言えません。
むしろ確定申告の処理が「推せる」面もあります。
(所得税の確定申告は年末調整より厄介か?)
とはいえ、年末調整を前提としている現状があります。
時間の制約のある状況で適切に年末調整をすすめるためには
所得税額を確定して精算するためのデータが不可欠です。
年末調整のアナウンスやオンライン化といった対応は、
効率的な処理が必要なことの現れです。
笑顔で対応できるかはともかく(笑)、苦虫を噛み潰すほど面倒
というほど理不尽な手続きではありません。
早めに準備を進めることがおすすめです。
蛇足
アイキャッチ画像は実家の家庭菜園でみかけたピーマンです。
ピーマンは色合い次第でお仲間のトウガラシそっくりになります。
どちらも苦味・辛味と特徴がはっきりしている野菜ですね。
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