正解を出すことが税理士の仕事か?
「業種別支援の着眼点」がヒント

唯一無二の「正解」があるという発想は根強い印象です。

注意していてもハマりそうなので、やはり注意します(笑)。

奥へ奥へと…

正解を出す!? 応答が噛み合っているか?

税理士は日々黙々と帳簿・決算書・申告書を作成している
といったイメージがあります。

当たってはいますが、それが全てとも言えません。

税理士にとっては「税務相談」もメインの業務です。

たとえば、消費税の免税事業者がインボイス登録した場合に
どのような税務申告をすればよいか?

免税事業者であってもインボイス登録をすることで
消費税の課税事業者となります。

免税事業者であれば「2割特例」の利用が候補となりますが、
適用できない場合もあります。
 (基準期間における課税売上高が1千万円を超える場合など)

ヒアリングや決算書・申告書の確認による応答を通じて、
課題を解決していくことになります。

税理士と相談者では知識や情報量で差があるので、
唯一無二の「正解」を出しているようにもみえます。

当事者双方にとって誤解となるかもしれません。

正解を出す!? 業種別支援の着眼点がヒント

金融庁の主導で「業種別支援の着眼点」といった報告が公表されています。
 (「金融庁 業種別支援の着眼点」で検索)

金融機関による事業者支援をサポートする内容です。

業種ごとの特徴を踏まえて、決算書といった資料の分析を行い、
訪問時でのヒアリングの留意事項が指摘されています。

現実的な指摘が多く、耳が痛い記述もあります。

たとえば、ヒアリング。

課題がみえてこない状況にじれてくると、陥りがちな問題があります。

私にとっては下記の指摘が印象に残りました。

税理士という職業上、「正しい答え」や誤った考え方への反応は敏感になります。

とはいえ、コミュニケーション不足や思い込みが先行してしまうと、
「正解」を押し付ける可能性があります

たとえば、消費税の本則課税と簡易課税の選択。

売上高ばかりに注目していて、投資の計画を見逃すと、
余分な税負担が生じる可能性があります。

現状の「正解」とは違う「別解」の可能性もあるわけです。

正解を出す!? 別解はアリか?

帳簿や決算書・申告書は裏付けとなる資料があって作成できます。

反面、資料だけから作成された成果が唯一無二の「正解」とは限りません。

ヒアリングや税理士・経営者の検討次第で「別解」もありえます。

一般論やお仕着せではない、当事者目線での「別解」は魅力ですが、
資料だけ・税理士だけからはありえません

税理士の相談業務でも相談者の参加と協力が必要となります

 

蛇足
「業種別支援の着眼点」はいわゆる有料級の内容です。
金融機関目線からのアプローチとなりますが、
税理士目線でも関心の強い記述が多々あります。

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