確定申告で開業費を漏らさない! 償却方法と記入例

知っているはずのことでも、実際に書こうとすると
手が止まったりします。
あと一歩への一押しが欲しいですね。

開業費 5年?、任意?

勉強してきたことと実務の違いってあるなー
と感じることがあります。

たとえば、リース取引。

税理士試験の簿記論では定番の論点です。

えげつないことに借手側だけでなく、
貸手側の処理も出題されます。

実務上は賃貸借処理でさっさと片付けられます。
(「支払リース料」という経費の計上になります)

ちょっと悩む対象が開業費。

ビジネスを始める以前での支出です。
(繰延資産 独立開業なら知っておきたい)

簿記や会計の勉強をすると、

  • 開業費 = 5年で償却

と覚えているはずです(よね?)。
(償却は経費として計上することです)

ところが所得税の確定申告では、

  • 60か月
  • 任意償却(いつでも費用化OK)

と情報が錯綜しています。

税金の計算にも影響するので不安になります。

開業費 任意償却の理由

結論をいってしまうと、

  • 開業費 = 任意償却

でとらえてOKです。

ちょっと根拠を確認してみます。

国税庁サイトの「質疑応答事例」で確認できます。

内容は以下の通りです。

開業費の所得税上の取扱いをまとめると、

  • 60か月の均等償却
  • 任意償却

の選択が可能です。

開業費の任意償却では、法律での制限がないので

  • 支出した年に全額償却(費用計上)
  • 60か月以降

の費用計上が可能といえます。

法律といってもがんじがらめというわけでもない
一例かもしれませんね。

開業費 確定申告書等作成コーナーの記入例

理屈はわかっても、具現化できなければ
絵に描いた餅です。

「確定申告書等作成コーナー」で開業費の入力をしてみます。

開業費は繰延資産、貸借対照表科目ですが、
損益計算書の「減価償却費」より入力します。

「新規に減価償却資産を入力する」より入力します。

下記は入力の一例です。
任意償却を選択する」にチェックを入れます。

「摘要」は空欄でOKです。
任意償却を選択していることで自動入力されます。

入力後の画面は以下のようになります。

青色決算書書では下記のように出力されます。

上記では償却額をゼロとしていましたが、償却(費用計上)した場合は
下記のようになります。

開業費 経営資源です!

経営資源というと、お金・モノ・人材にフォーカスされます。

売上アップへの貢献や費用削減と抽象的にとらえると
税金の負担を減らす開業費も経営資源となります。

開業以前からの支出の領収書やレシートも経営資源です。

地味な書類や処理ですが、効果は無視できません。

 

蛇足
「確定申告書等作成コーナー」は便利なのですが、
もうちょっと手短な略称を期待しています。

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