副業での申告書の見た目に騙されない 帳簿のサンプルを紹介

正しく恐れるです。

副業での申告書 あれっ、しょぼい!?

令和2年の確定申告では、副業をされた方も対象になります。
給与とは別にビジネスをされた方もです。
これまで年末調整だけだった方には、気が重いかもしれません。

申告書を確認してみます。
ここでの副業は、雑所得を前提とします。
収入と所得をまず第一表に記載します。

 

第二表には、雑所得の内訳を記載することになります。

 

こうした記載事項だけを見ると、拍子抜けするかもしれません。

あれっ、しょぼい!?(笑)

給与所得のある方は、上記の他に源泉徴収票の記載事項などを反映することになります。

初めてのチャレンジでは、不安が最大の障壁です。
気を落ち着かせるのも準備の内です。

とはいえ、申告書の見た目に騙されてはいけません。

副業での申告書  申告書の舞台裏は帳簿

副業での雑所得の申告書は、記載内容がシンプルでした。

しかし、このシンプルさには申告書の舞台裏を知っておく必要があります。

重要なポイントは、収入は所得ではないことです。

 収入-経費=所得、です。

収入も経費も集計されていることが、所得計算の前提です。

申告書の作成労力は過大ではありません。

むしろ、所得の前提である収入や経費の集計が労力を要します。

副業での申告書 帳簿のサンプル

副業でも帳簿の作成をおすすめすることは以前にも紹介しました。
(副業を非正規化させない 決算のすすめ)

事業所得の簡易簿記ならば、以下の帳簿が必要です。
売掛帳
買掛帳
・現金出納帳
経費帳
・固定資産台帳

雑所得では、今のところ帳簿は必要とされていません。

しかし、損益計算するなら帳簿は必要です。

とくに売掛帳や買掛帳・経費帳は損益計算では不可欠となります。

10万円以上の固定資産をビジネスで使っているなら、減価償却費が発生します。
(減価償却 試験も実際もひっかけあり)
固定資産台帳を用意しておきたいわけです。

また、生活関連の支出がビジネスの経費と重なるケースもあります。
どのように家事とビジネス分を按分(あんぶん)したかの記録も残しておきたいものです。

簡易簿記では、複式簿記は必要ありません。
Excel などの表計算ソフトがあれば、記録も集計も容易です。

以下は雑所得での帳簿の参考例です。

■売掛帳:売上を管理

日付・取引先・取引内容・金額、さらに源泉徴収額もあれば記載。

■買掛帳と棚卸表:仕入と在庫の管理

仕入の内、年末に残ったものが在庫。
仕入-在庫=売上原価、です。

■経費帳:費用を記帳します。

科目ごとの集計は、ピボットテーブルで解決できます。
(確定申告 集計をシンプルにやる)

■固定資産台帳:毎年の減価償却費を管理

ポイントは、使用開始日・取得金額・耐用年数・減価償却費です。
各資産ごとに計算します。

■家事按分:按分の算出根拠を管理

雑所得のビジネスでの帳簿は、定められていません。
上記は個人の事業所得での帳簿を参考に検討したものです。

副業の決算で何から始めるか、で悩んでいる方は参考にしてください。

 

蛇足
雑所得といっても、会計処理は事業所得と重なります。
ビジネス所得という区分が欲しいところです。

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