減価償却 試験も実際もひっかけあり

なんやかんや言っても専門用語ですしね。

減価償却 費用ですが、お金が残ります

減価償却(げんかしょうきゃく)は会計上の費用ではメジャーな科目です。
メジャーと言いつつ、イマイチよくわからないという点でもメジャーです。

減価償却のわかりにくさは、費用といいながらも計上した分のお金が残るというところです。

まず一般的な費用と比べてみます。
一般的な費用では、払ったお金の分(現金支出)が費用になります。
水道光熱費や旅費交通費がわかりやすい例です。

これに対して、減価償却は固定資産の取得がスタートになります。
建物や機械、車などが固定資産の例です。
(ただし、土地だけは例外で減価償却しません。費用化しないのです)
固定資産はものによりますが、長期で使うことが前提です。
別の表現をすると、固定資産は長期にわたって売上に貢献します。

会計処理のルールで、費用収益対応の原則があります。
収益(売上)に見合った費用を計上するという考え方です。
収益と費用を対応させる考え方と固定資産が長期に売上に貢献することから、固定資産の取得額を会計上の費用として配分していく手段が、減価償却という処理です。
「減価」は年とともに価値が減っていく、「償却」は費用として計上するという意味です。

固定資産の取得したときにお金は出ていきます。
その一方で、減価償却を計上したときには会計上(=書類上)は費用でも、その金額分はお金が残ることになります。

減価償却 どんな方法があるか?

問:減価償却の基準を2つ答えなさい
とある受験生:定額法・定率法!(どや)
結果:不合格(なんでやねん)

かつて税理士試験に出題された有名なひっかけ問題です。
正解は、期間と生産高でした。

所得税や法人税の処理では定額法と定率法の計算しか扱わないのですが、計算方法としては級数法や生産高比例法もあります。
定額法・定率法・級数法は、一定の期間(耐用年数)を基準に減価償却していくという点では期間を基準にした処理です。
(ただし、級数法は実務上使いません)
生産高比例法は鉱業権の償却に使われる減価償却の処理です。
(と言いつつ私もピンときませんが)

定額法の減価償却は、取得した固定資産額を一定の年数で均等に配分するという発想です。
(実務上は償却率をかけて計算します)
所得税での減価償却は原則定額法です。

定率法は、未償却残高に一定の割合をかけて減価償却を計算します。
固定資産を購入した年なら、取得額×償却率=最初の年の減価償却費です。
2年目は、(取得額ー最初の年の減価償却費)×償却率=2年目の減価償却費、です。
3年目以降は、2年目末の未償却額×償却率=減価償却費、となります。
法人税法では定率法が原則です。

試験勉強ではいろいろ面倒なのですが、実務上は会計ソフトで計算していることが一般的です。

減価償却 本当にお金が残るのか?

減価償却は計上した分のお金が残る費用と紹介しました。
マニアックですが、自己金融効果とも言われています。

ただし、この自己金融効果には注意が必要です。

より正しくは、減価償却はその計上額がお金として残る「とみなされる」費用ということです。

どこからかお金が振り込まれるわけではありません。
実際上のひっかけです。

減価償却では、お金の動きと会計上の処理の違いが露骨にあらわれます。
お金の動きと会計上の金額のズレを作っているという意味で、減価償却はわかりにくさの原因とも言えます。

 

蛇足
級数法も生産高比例法も試験問題ではそこそこ登場します。

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