リスク分散と青色専従者
何をどう分散するか。
リスク分散と青色専従者 青色申告の特典
フリーランス・個人事業者の方には、 青色申告がおすすめです。
おすすめと書きましたが、必須といってもいいかもしれません。
税務署に紙1枚の届出で、各種の得点をゲットできます。
(青色○○ 青色申告とは別に早めに)
青色申告の特典のなかでも、有名なものに青色専従者給与の特典があります。
簡潔に表現すれば、家族を従業員化できる仕組みです。
言い換えると、この仕組みを使わずに家族にお金を渡しても給与という経費にはなりません。
もう一回言い換えれば、青色専従者給与を使わずに家族に給料を払っても(払ったつもりでも)、節税できません。
個人事業、俗に家族経営といわれる業態では、青色専従者給与の仕組みを使うことで、世帯単位の節税とお金を貯めることにつながります。
リスク分散と青色専従者 意外に少ない青色専従者
私の実家は農家だったので、父が青色申告をして、母が青色専従者でした。
夫婦で営んでいる自動車整備工場や理髪店などでもよく見られる形態かもしれません。
(アニメなら「サザエさん」にでてくる八百屋さんでしょうか)
かつて、某フランチャイズ店を展開している企業では、フランチャイジーを夫婦単位で検討対象としていたところもあったそうです。
小規模な事業では、家族経営というより夫婦経営という単位が生活と密接でもあり、直感的に違和感もありません。
しかし、会計事務所に勤めてみると、そうした夫婦経営という形態も徐々に見直す機会に遭遇しました。
現在(2020年・令和2年)、50歳以上の経営者では夫婦単位での事業活動はよくある形態です。
その一方で、50歳未満の経営者の方を見ていると、夫婦それぞれが仕事を営んでいるというケースが目立ちます。
前述した農業や自動車整備工場、理容室でも夫婦ではない個人事業主の方が目立ちます。
(とはいえ、酪農業ではレアケースです)
リスク分散と青色専従者 入口を別にする
青色専従者給与の仕組みは、リスク分散の一環ともいえます。
ここでのリスクとは、個人所得税が超過累進制度なので、経営者に高い税率がかかりやすいため、課税負担が大きくなることです。
青色専従者給与の仕組みで、世帯(夫婦)単位で適用される税率を下げることで、お金が出ていくリスクを防ぐことにつながるわけです。
そうしたリスク回避もありますが、収入という入口を夫婦(家族)でもつことでリスクを分散する考え方もあります。
どちらが良いかということものではありません。
ただ、かつてのように青色申告をしているから青色専従者がいる前提ではなくなっているようです。
蛇足
青色専従者の世代間での利用の差という見方は、ちょっと意外かもしれません。
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