登記って誰に依頼するのか? 司法書士と土地家屋調査士の違い
資格の違いは「きのこの里」と「たけのこの山」くらい
誤解しそうな印象です(笑)。
(正しくは「きのこの山」と「たけのこの里」)
登記は誰? ケイリシさん?
私の職業は税理士なのですが、「税理士さん」ではなく、
- ケイリシさん
と呼ばれることがあります。
比較的ご年配の方がそうした名称を使われるようです。
「計理士」は1927年から1967年に存在した会計の専門資格です。
税理士と似ている資格では「会計士」があります。
会計士の仕事は主に上場企業の監査です。
企業の会計をチェックして、金融市場への情報提供に
貢献しています。
会計士の監督庁は金融庁です。
税理士の役割が個人・法人の申告納税のサポートであり、
監督庁が国税庁であることで資格の違いがわかります。
登記は誰? 司法書士と土地家屋調査士
似ているようで異なる資格では、
- 司法書士
- 土地家屋調査士
といった資格があります。
資格の名称の字面だけをみるとまったく違いますが、
「登記」業務に関連する共通点があります。
登記は第三者に対して情報を示す仕組みです。
司法書士と土地家屋調査士の違いでややこしい点は、
どちらの資格も不動産の登記に関わっているためです。
とはいえ、違いははっきりしています。
まず土地家屋調査士。
- 不動産の物理的状況を登記簿に反映させるために
- 調査や測量に基づいて
- 不動産の表示に関する登記を行う
土地家屋調査士の登記は不動産のモノに的を絞っているといえます。
司法書士の扱う登記は権利関係に関連しています。
不動産に関わる権利の変化に対応した登記を行います。
司法書士の扱う登記は抽象的ともいえます。
登記は誰? 相続では誰に依頼?
相続に関連した手続きでは、相続税の申告納税だけでなく、
不動産の登記の手続きも必要となります。
相続→名義変更→司法書士に依頼、と連想できそうです。
しかし、相続と不動産をめぐっては、
- 土地を分ける
- 境界を確定する
- 未登記の不動産を登記する
といった土地家屋調査士への依頼も想定されます。
不動産を相続でどのように取り扱うかによって依頼先が異なります。
さらに、相続をめぐっては不動産の取り扱いと税負担がつながります。
相続では複数の専門家のサポートが必要になる可能性もある
と覚えておいていただけると幸いです。
蛇足
税理士という職業柄、特定の地名に反応することがあります。
たとえば、「東京都品川区大崎」とみかけると、
「日本税理士連合会」を連想します。
逆に「東京都千代田区神田三崎町」という地名からは、
資格スクールの「TAC」がおなじみだったりします。
土地家屋調査士と税理士との反応の違いがありそうです。
(日本土地家屋調査士連合会は神田三崎町に所在します)
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