前年分の申告書をお持ちください!
対話で進める確定申告
ITスキルはとりあえず後回しです。
口下手でも問題ありません。
対話で申告 お初にお目にかかります
「初めて会った気がしない」という表現は
通常であれば褒めことばです。
対話が成り立たなくなる距離感がない印象は
悪くありません。
税理士という職業は堅苦しい印象があるので、
話をしていてもギクシャクすることもあります。
一方で、それとは正反対の反応をされて戸惑う
というケースもあります。
たとえば、確定申告の申告会場での応対。
手続きに来場される方とは通常初対面です。
本来、「お初にお目にかかります」ですが、
- なんで私のこと知らないの?
といった反応をされる来場者も少なくありません。
原因は、対話不足です。
税理士との対話も少ないのですが、
- 過去の申告書との対話も少ない
といった問題があります。
対話で申告 申告書間で対話
確定申告の申告会場は、時間制約と折り合いをつける場
ともいえます。
(確定申告会場の利用と相性とは?)
通常の顧問契約により進めていく申告手続きを
出たとこ勝負で片付ける実態があります。
応対する税理士には、
- 知識
- 経験
はあるものの、
- 来場者の事情には無知
という現実があります。
「情報の非対称性」のわかりやすい例です。
そうした状況でも確定申告の手続きを完了されるためには、
- 申告手続きの根拠資料
- 来場者の過去の参照データ
といった物的な裏付けが必要になります。
根拠資料としては、
- 源泉徴収票
- 各種の控除証明書
- 医療費控除の明細書 etc.
さらにマイナンバーカードや銀行通帳も必要です。
(ハンコは不要です)
上記の資料があれば申告書の作成が可能です。
あとは申告書を提出して完了!、といきたいところですが、
確認が必要です。
申告書を作成する税理士は資料からの確認は可能です。
反面、昨年以前の来場者の事情を参照できません。
来場された方にとっては、
- 毎年処理しているはずの対象
- 今年になって変化した対象
といった面でのチェックは当事者頼みとなります。
収入面での変化は目につきやすいはずです。
その一方で、
- 障害者控除
- 寡婦控除
- ひとり親控除
- 配偶者控除
- 扶養控除
といった人的な控除は家族の変化を反映することもあり、
当事者による確認が欠かせません。
所得税の仕組みは毎年何らかの変化がありますが、
それでも過去の申告書の参照がおすすめです。
申告書作成上の漏れやとり違えをリカバリーできます。
対話で申告 ストレージとしての申告書
申告会場で申告書の作成が完了すると、
- 申告書を見ない!?
という来場者が目につきます。
還付であれ、納税であれ税額に関心が集中しますが、
申告書はスルーされがちです。
還付や納税による通帳の動きに関心が移ります。
単年分の確定申告の手続きでは問題ありません。
とはいえ、翌年以降も確定申告と無縁とはいえません。
確定申告は定型の様式に数字が反映されている
一見無味乾燥なデータ・書類です。
実態は、申告書は納税者の過去データのストレージ
といった意味もあります。
過去の申告書を参照することで、
- 今年の申告書との変化の対話が可能になる
という面があります。
対話の効果は翌年以降も確定申告で発揮されます。
蛇足
申告書の仕組みを理解しようというよりも、
作成してみることがおすすめです。
「確定申告書等作成コーナー」で入力してみると、
データの反映がグッと身近になります。
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