副業で年末調整・確定申告の落とし穴と
リカバリー方法
総合課税制度と更正の請求
トラブルは予防と回避が優先です。
それでもトラブったらリカバリーしましょう。
副業リカバリー 収入で増えるお金と落とし穴
副業や副収入で稼ぐことも珍しくなくなってきました。
収入の間口が広がり、使えるお金が増えるのであれば
副業や副収入に魅力を感じます。
副業で収入が増えると言う魅力がある一方で、
増えるのはお金だけではありません。
たとえば、税金のトラブルも増えます。
勤務先からの給与所得だけが収入であったときとは違い、
副業をして収入を得ている場合には注意する対象が増えます。
副業リカバリー 年末調整と確定申告
収入が給与所得だけという場合には、
- 「年末調整」だけ
で所得税の手続きが完了します。
年末調整では、
- 各種の控除申告書や控除証明書を
- 漏れなく
- 期限厳守!
で勤務先に提出すれば問題ありません。
副業をしている場合でも、年末調整に関しては
これまで通り進めることになります。
その一方で、、年末調整は
- 「給与所得」のみ
- 1か所でのみ
を対象にした源泉所得税の精算手続きです。
副業による収入は、「確定申告」での手続きが必要です。
副業→確定申告が必要、という発想は無理がありません。
とはいえ、副業をともなった確定申告では落とし穴があります。
まず、副業での収入が確定申告の対象であるかどうか?
合法的に申告が不要となるケースもあります。
(所得税の確定申告の不安は「入口」で整理できる! 合法と効率は矛盾しない!)
副業による収入で確定申告をする場合、
- 副業による収入だけでなく
- 本業を含めた収入で
確定申告をすることになります。
たとえば、給与所得と副業での雑所得がある場合、
- 確定申告 = 給与所得 + 雑所得
といった状態での確定申告をします。
言い換えると、副業(雑所得)だけで確定申告はしません。
「総合課税制度」という所得税の仕組みがあります。
給与所得も雑所得も合算した上で、税額を算出します。
「確定申告書等作成コーナー(国税庁)」でも給与所得を反映させるため、
勤務先から受けとった源泉徴収票の入力が必要です。
また、「ふるさと納税」をしている給与所得者であれば、
「ワンストップ特例」を利用している方も多いかもしれません。
ワンストップ特例を利用していれば、
- 5自治体までならば
- 年末調整だけで
処理が済みます。
副業で確定申告をする場合、
- 年末調整でワンストップ特例を利用した場合でも
- 確定申告で処理を反映させる必要がある
という落とし穴があります。
所得控除の「寄附金控除」で入力を忘れてしまうと、
ふるさと納税分が税負担に反映されません。
年末調整と確定申告を済ませたつもりでいても、
6月以降に住んでいる地域の自治体からの通知で、
ふるさと納税分が漏れていたことがわかります。
「更正の請求」というリカバリー手段があります。
副業リカバリー 予防・回避>リカバリー
確定申告のやり直しでは、
- 税金が多かった(減らす) → 更正の請求
- 税金が少なかった(補う) → 修正申告
といった仕組みがあります。
どちらも「確定申告書等作成コーナー」より利用できます。
e-Taxで確定申告した場合であれば、データを再利用することも可能です。
ホッと一安心といったところです。
リカバリー手段を知っていれば、不安や負担はグッと抑えられます。
とはいっても、副業の後始末を翌年以降に持ち越すのは
- 確定申告だけにとどめる
といった発想が優先です。
トラブルを予防・回避できる措置をとっておけば、
リカバリーを使うロスが防げます。
蛇足
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