会計ソフトを使ってます!で塩対応!?
質問は税理士からのハラスメントか?
仕事をスムーズに進めるつもりが逆効果の誤解につながる、
といったこともぼちぼちありそうです。
新たな「税理士ハラスメント」対策が必要です。
ソフトで塩対応 利用が増えている傾向
「日本は〇〇の面で遅れている云々」はよく聞くフレーズです。
〇〇には当てはまることばでは、「IT」や「DX」といった
仕事の効率性と関連することがあります。
槍玉にされる業界として税務会計業界・税理士業もあります。
否定できない一面ですが、一方で変化している面もあります。
経営者、とりわけ創業者や若手の経営者。
経営の初期から積極的に会計ソフトを導入している方が増えています。
パソコン利用やウェブ環境でのやりとりでの業務が常態化しているので、
会計ソフトでの経理処理に抵抗がないようです。
業務の効率性からは明るい傾向です、
反面、税理士目線ではちょっと冷めた眼差しもあります。
ソフトで塩対応 質問?、ハラスメント?
新規のお客様とのやりとりで、会計ソフトの利用状況もお尋ねします。
ソフト未導入であれば、説明の上で導入をお勧めします。
一方、既に会計ソフトを導入している場合、お客様次第で対応が分かれます。
たとえば、導入というより「購入」段階でストップしている場合。
パソコンで会計ソフトのスタート画面を開いたは後、そっと閉じた…(笑)。
事実上は未導入なので、事業状況を確認しつつソフトの設定を進めます。
他方で、会計ソフトの利用を開始している方もいらっしゃいます。
入力状況の確認も必要ですが、最優先は利用者への質問となります。
- 複式簿記をご存知ですか?
- 損益計算書と貸借対照表が区別できますか?
- 決算書と税務申告書の違いがわかりますか?
- 消費税のインボイス対応をされていますか? etc
実際にはやんわりとお話したり、Googleフォームでのアンケートへの回答と
圧迫感がないようにお尋ねしています。
会計ソフトは入力・集計・転記のツールです。
良くも悪くも設定や入力の結果を出力するだけのツールともいえます。
とはいえ、ソフトは大量のデータを整然とした結果を出力してくるので、
- 意味があるハズ→妥当な処理のハズ→正しいハズ
という見方が強まりがちです。
税理士からの業務上の確認が「ハラスメント(嫌がらせ)」と誤解されかねません。
ソフトで塩対応 導入から運用への一歩
会計ソフトはソフトごとに違いはあってもツール・手段です。
ツールが期待通りに効果を発揮するには、期待通りの条件も必要です。
車は運転ができれば便利ですが、運転技術や交通ルールの知識が必要です。
会計ソフトにも同じことが当てはまります。
「発生主義」は会計処理では不可欠の考え方です。
たとえば、決算日段階で請求中だが未入金の売上。
会計処理は込み入った内容ではありません。
- (借方)売掛金 (貸方)売上
売上の過少計上は会計処理のタブーです。
本来の利益が小さくなるだけでなく、税額まで小さくなります。
ツールは必要な前提や条件が整えば、期待に応えてくれます。
期待通りの成果を得るためには、
- ツールの導入だけでは必要な前提や条件はクリアできない!
という見方です。
ちょっと肩の力を抜いてみると、課題がみえてきます。
税理士からの質問が塩対応やハラスメントではないことも
ご理解いただけるはずです。
蛇足
期待通りの成果が出力されるならばAIではなくフツーのソフト
という見方があるそうです。
会計ソフトはフツーのソフトのはずですが、知識も理解も必要です。
税理士がAIに取って代わられる日はいつでしょうか?
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