帳簿作成をどこまで税理士に依頼するか?
今の処理はいつ決めましたか?

素朴な課題だから万人が納得できる正解がある
とはいきません(笑)。

どこにでもある問題と個別の事情のギャップをどう埋めるか?

答えは固定されていないはずです。

どこまで依頼 パソコンと勘定科目印

日常の中にも不思議な光景はあります。

たとえば、机の上のパソコンと「勘定科目印」。

どちらも帳簿作成の処理の効率化のツールです。

入力や表示を機械的に処理するために使います。

とはいえ、デジタルとアナログで大きな違いがあります。

税理士事務所に勤務時代、パソコンと勘定科目印・伝票が
同時に机の上に並んでいました。

パソコンだけで充分では?、とツッコミどころ満載でした。

一般論としては、パソコンでの処理だけで完結が効率的です。

他方で、個別のお客様の事情がありました。

どこまで依頼 メリット・デメリットの線引

帳簿の作成、記帳処理を税理士に丸投げという選択肢があります。

役割分担の面ではわかりやすい選択肢です。

経営者の記帳負担がなくなるので、負担軽減となります。

一方で、資料やデータ、取引の事情の把握にタイムラグがあり、
記帳から経営判断につなげることには制約があります。

確定申告の達成に的を絞った選択です。

丸投げとは対極的に経営者側で記帳を完結させる選択肢もあります。

経理処理の負担は大きくなり、簿記の理解も必要です。

反面、経営とタイムリーな記帳が並走するので、経営判断にはプラスです。

事業規模が大きく、多額の資金を扱い、スタッフがいる場合、
記帳の内製化は経営に有効でもあり必要とも言えます。

丸投げによる外注も完全な内製化も極端なケースです。

両者の間には経営の規模や内容、スタッフの状況に応じた選択があります。

  • 現金取引が多いか、少ないか
  • 取引先が個人中心か、事業者中心か
  • 銀行からの融資の状況
  • 雇用の状況
  • 消費税の処理 
  • パソコン操作の習熟度 etc

手書き・アナログよりも入力・取込・デジタルが効率的ですが、
選択肢は単一ではありません

どうやって後者に移行するか、といった見直しの機会が必要です

どこまで依頼 それはいつの判断か?

同じ机の上にパソコンと「勘定科目印」が並んでいる光景は、
ミスマッチなはずです。

現実には、そうした光景が続いていたりします。

「慣れ」た状態が続くことで「馴れ合い」が放置される
残念な光景です。

勘定科目印もパソコンもいずれかの時期に導入されています。

パソコンと言っても、オンプレミスでの運用もあれば、
クラウド会計の利用といった移行があります。

記帳の処理は経営と並行して続きますが、

  • 会計期間
  • 決算・申告
  • 経理担当者の交代 etc

といった見直しの機会はあります。

税理士への税務会計業務の依頼といっても不変でもなければ
固定化されるものでもありません。

事情や状況に応じて効率性や必要性を見直すことがおすすめです

想定できていなかった期待や成果があるかもしれません。

 

蛇足
2024年(令和6年)6月時点でも勘定科目印セットは販売されています。
「慣れ」は根強く残ることがわかります。
私はハンコをきれいに押すことが苦手で慣れなかったのですが、
愛着がわかなくて良かったとも言えますね。

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